国連、中国に臓器狩りの実態調査命じる

【大紀元日本11月24日】国連は11月21日、中国当局に対し、集団弾圧されている法輪功学習者が虐待・拷問の末、臓器を強制摘出され、それらを売買しているとの告発を調査し、責任者に法的制裁を下すことを要求した。

11月7日から、国連拷問禁止委員会(United Nations Committee against Torture)は中国政府が署名している「拷問禁止公約」の執行状況について公聴会を開いた。同委員会は同月21日、公約を履行していないとし、中国当局に法輪功学習者を対象とした臓器強制摘出・売買の告発を調査し、責任追及を行うことなどを命じた。

2006年初、大紀元時報は中国の施設に監禁されている法輪功学習者の臓器を強制摘出・売買との内部告発を報道した。その後、カナダ政府元閣僚のデービッド・キルガー氏と国際人権弁護士デービッド・マタス氏が独立調査団を結成し、同年7月6日、49ページに及ぶ調査報告書を公表し、50項目以上の証拠を上げ、この告発は「紛れもない事実である」と結論した。過去2年間、両氏は世界40数カ国を訪れ、各国の政界とメディアなどに対し、報告書の内容を説明し、国際社会に対し、中国当局の暴挙を制止するよう求め続けてきた。

カナダ独立調査団のメンバー、カナダ政府元閣僚デービッド・キルガー氏(大紀元)

国連拷問問題の特別調査員、オーストリアの法学教授マンフレッド・ノーワック(Manfred Nowak)氏と、国連「宗教信仰自由」の特別調査員アスマ・ジャハンギア(Asma Jahangir)氏は、2006年8月から国連拷問禁止委員会に、中国での法輪功学習者に対する臓器狩りの実態を繰り返し報告している。

キルガー氏とマタス氏は、今回の国連拷問禁止委員会の動きを高く評価し、歓迎の姿勢を示した。

(記者シャーロット・クスバートソン、翻訳編集・叶子)
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