【中国伝統文化】誤りから学ぶ

【大紀元日本1月1日】人間は、どんなに賢くても間違えることがある。古代中国では、「君子」と呼ばれる人であっても、間違いを犯すことがあったが、間違いを犯すかどうかより、その間違いを正し、そこから学ぶことに徳があるとされた。この過程を経て、人間は向上することができるのだ。

孔子は常々、「もし貴方が間違いを犯したとして、それを正そうとしないならば、貴方は本当に間違えたのだ」と言った。間違いを犯すのは人間の常だが、それを認識し、そこから学ぶ努力をすれば、周囲の人たちから尊敬の念を得ることができる。一方、その間違いを一向に正そうとせず、もしくは隠そうとすれば、周りの人の信頼を失うことになるだろう。孔子の弟子の一人である子貢は、「人の間違いや欠点は、日食や月食のように、他人の目には明らかだ。その悪いところが消えた時、人々は驚きとともに、彼を賞賛するだろう」(『論語』子張第十九)と語った。

また、中国歴代の王朝の中でも、善政を敷いたことで名高い唐の太宗は、「私が鏡を眺めると、服装が自分に合っているかどうかが分かる。歴史を鏡に映すと、各王朝の興亡がよく分かる。他人の目を鏡として自分を映すと、自分の欠点と長所が一目瞭然となる」と言った。

▶ 続きを読む
関連記事
抗生物質だけでなく、身近な薬も腸内細菌に影響する可能性がある――。中医学では胃腸を「土」にたとえ、体を育てる基盤と考えてきました。腸の乱れを別の角度から見直すヒントです。
むずむず脚症候群はパーキンソン病リスクと関連する一方、治療薬が発症を抑える可能性も示されました。最新研究が明かす両疾患の意外な関係と、正確な診断の重要性を解説します。
冬になると腰や膝が冷え、関節が動かしにくくなる――。中医学では、こうした不調は体の内側の冷えと関係すると考えられています。かぼちゃと小豆の「いとこ煮」は、巡りを整える養生食として親しまれてきました。
透析患者の命を脅かす心筋梗塞リスクを、魚油が大きく下げる可能性が示されました。大規模臨床試験が明らかにしたオメガ3の効果と注意点を解説する注目の研究報告です。
抜け毛や白髪は年齢だけの問題ではないかもしれません。中医学では、髪の状態は「腎のエネルギー」と深く関係すると考えられています。下半身の簡単なストレッチが、髪の健康を支えるヒントになる可能性も。