【ハーブティーを楽しみましょう】(22):ネトル

【大紀元日本1月18日】「のどが痛いの?じゃ、サルビアのおでうがいなさい」「眠れないの?じゃ、ホップとかのこ草のお茶を入れてあげましょう」という風に、ドイツの家庭では小さな症状が出たらすぐに、常備してあるハーブティーが登場します。古くから伝わる薬草の文化が現代の生活にも活きているのです。薬草の権威、M. Pahlow氏のレシピーを参考にドイツのハーブティーをご紹介しましょう。 

ネトル(Urtica dioica)

ネトル(絵・前田純子)

今回のハーブはネトル、和名は西洋イラクサです。ネトルはイラクサ科の一年草で北半球を中心にして世界中に自生します。野原、道端、庭の回りなど、どこにでも群生して生命力の強い雑草として、やっかい者のイメージが強い植物です。葉は、しその葉によく似ていますが香りはありません。1m位に成長し、葉の裏には毒を持った毛状の刺があり、それに触れると飛び上がるほどの痛みや刺激を感じます。5、6月頃に小さな花穂を付けますが、その時期に全草を採取して乾燥させ、小さく切ってハーブとして用います。

【適用】

ネトルのお茶は、味も香りもこれといった特徴はなく、クセのない飲みやすいお茶で、お番茶がわりにもなります。

ネトルの一番の作用は、全身の新陳代謝を高めることで、血液を浄化し、血圧を下げる、血糖値を下げるなどのはたらきがあります。ドイツでは他のハーブとミックスして、リュウマチ、痛風、関節炎の治療に用います。また、ネトルには利尿作用があり、男性の前立腺の不調にも効果があります。前立腺の肥大にも、肥大度Ⅰ,Ⅱ程度でそれほど進んでいなければ、尿の通りを改善し、残尿を減らします。この場合は、ネトル単独で用います。

【ネトル茶の作り方と飲み方】

ネトルハーブ茶さじ2に熱湯250ccを注ぎ、さらに5分加熱した後、こします。このお茶を朝夕2回、一口づつゆっくり飲みます。期間としては4~8週間続けて飲用してください。

【リュウマチ、痛風に効果があるミックスハーブ】

ネトル20、タンポポ20、スギナ10、ローズヒップ5(種を除いていないもの)の割合でミックスしたハーブ茶さじ山2に熱湯250ccを注ぎ、15分おいた後、こして飲用します。1日3回、6週間続けて飲用します。

【有効成分】

フラボノイド、クロロフィル、カロテン、ビタミンA,B,C、ヒスタミン、タンニン、ステロール、植物酸、Sterylglucoside, Lignane 他

(エリカ)