NZ世論「小国でも中国に屈せず」 習近平副主席一行と抗議議員の衝突事件に反発

【大紀元日本6月22日】ニュージーランド公式訪問中の習近平中国国家副主席が18日、首都ウェリントンで、チベットの旗を掲げ抗議した同国グリーン党ノーマン代表と小競り合いを起こした。ここ数日、ニュージーランド国内はこの話題で持ちきり、ノーマン同代表は国会に事件の調査・介入を求めている。

国会前で副主席の到着を待ち構えていたノーマン代表がチベットの旗を掲げていたところ、副主席の複数の警護員が傘を突き出したあと、旗を奪い地面に叩きつけるなどの小競り合いが起き、同代表は衝突の際に軽傷を負ったという。

事件の全容はその場に居合わせた記者によって撮影され、ニュージーランドの主要マスコミが一面トップで報じた。『サンデースタータイムズ』は『中国の笑顔の背後にある残酷な事実』と題する社説を発表し、同事件は中共の仮面を剥ぎ取るとともに、ニュージーランドの民主主義を踏みにじったと批判した。

「中国政府はチベット人を弾圧するだけでなく、自国民にも圧制を加える。今回更に、テレビカメラを前に、他国の土地で、その国の議員に対して同様な手段で対応した」と社説は述べる。

「ニュージーランドは中国のお金を必要としている。ニュージーランドの2大政党は、中国というスーパー大国と自由貿易協定を結ぼうと長年努めてきた。中国のマーケットがなければ、ニュージーランドは貧しくなるだろう」「このような苦境を前に、多くの国のリーダーらは屈した」と同社説は論じた上で、「強大な中国を前に、ニュージーランドは、少なくとも民主国家としての尊厳を守ることができる…小国でありながらも、決して中国に服従しない」と述べた。

ジョン・キー首相は事件後、「ニュージーランド人は自分の考えを表現し、抗議する権利がある」と、事実上、同代表の行動を容認するコメントを発表した。

ノーマン代表は現在、国会に事件の調査と介入を求めている。

(翻訳編集・高遠)
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