ジャスミンの香りに鎮静効果=ドイツ研究

【大紀元日本7月30日】ジャスミンの甘い香りは精神を安定させる効果があり、副作用もないとドイツの研究者らが発表した。ジャスミンは古くからアロマテラピーに利用されており、その効果が科学的に証明された点で画期的だ。英紙「デーリー・テレグラフ」(電子版)が伝えた。

 独ルール大学のハンズ・ハット(Hanns Hatt)教授の報告によると、ジャスミンの香りが漂う檻の中のマウスは劇的に落ち着き、活動を止めて隅に静かに座ることが分かったという。脳スキャンの観察によると、吸引された「香りの分子」はマウスの肺から血液へ流れ、大脳に伝えられる。すると、それが神経細胞を刺激してガンマ‐アミノ酪酸(GABA)を分泌させ、不安な気持ちをやわらげたり、睡眠を促したりする効果があったという。

 同教授が率いる研究グループは、ヒトとマウスの脳内GABA受容体に対する100種類以上の香気テストを行った。その結果、ジャスミンの香りは平均より5倍以上のGABAを分泌させる効果があり、その効果は鎮静剤、安眠薬、弛緩剤などと同様の強さだったという。これらの薬の副作用には、憂うつ、めまい、低血圧、筋肉の無力感などがある。ハット教授は、「私たちは呼吸を通して生理的に作用する新しいGABA受容体調節器を探し当てた」と話した。

 また、ジャスミンの香りは、精神安定、不安感、過度の興奮、攻撃的な行動の緩和などに効果があり、催眠療法などにも用いる事ができるという。研究グループは、香りの分子構造を変えることにより更に効果が高められる事を期待している。

 ジャスミンの名の由来は、古代ペルシア語のヤスミン「神からの贈り物(gift from God)」からきている。アロマテラピーが行われていた古代ギリシャやエジプトでは、ジャスミンは様々な癒しの効果があると信じられていた。

 アロマテラピーの愛好家たちは、アロマが呼吸、血圧、心拍数、免疫機能などの生理的な体の機能に影響を与え、ジャスミン・オイルには、ストレス、不安感、気分の落ち込み、倦怠感、月経痛、更年期障害などに効果があると信じている。

 ジャスミンは世界中で300種以上あり、多くは熱帯や亜熱帯地方で生長する。その香りの83%が女性用で、33%は男性用に使用されている。純粋なジャスミンのアロマオイルは500万個のジャスミンから僅か1キログラムしか精製出来ないため、ジャスミンの香水のほとんどは香りを似せた化学原料で製造されている。

 同研究の報告は、米科学誌『ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー』(Journal of Biological Chemistry)に掲載されている。

 

(翻訳編集・市村)
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