ハイヒールの長期着用 ひざ関節症をもたらす=米研究

【大紀元日本8月17日】米オハイオ州立大学の研究チームは1日、ハイヒールを長期間履き続けるとひざに負担がかかり、くるぶしの機能を低下させ、変形性ひざ関節症に罹る可能性が大きくなると発表した。この研究報告は、18日~21日に開かれるアメリカン・バイオメカニクス協会(ASB)の総会で発表される予定。

研究チームのダニエル・バークマ(Danielle Barkema)研究員とフィル・マーティン(Phil Martin)教授は、平ら、5センチ・ヒール、9センチ・ヒールの3種類のを用意し、それぞれを15人の女性に履かせて歩行させるという実験を行なった。同チームはセンサー、加速度計、カメラ、衝撃波測定機器などを用いて彼女らを観察し、歩行時に起きるひざやくるぶしへの衝撃と負荷を測った。

その結果、これまでの研究で分かっていたハイヒール着用による関節への悪影響の他に、歩行速度の低下、歩幅の減少が見られ、ヒールが高くなるとよりひざへの負荷が増すことも分かった。また、ヒールの高い靴の着用はくるぶしやひざなどの関節の角度を変えてしまうため、姿勢にも悪影響を与えるという。

ダニエル研究員は、「個人差はあるものの、ハイヒールを長期間履いて歩行すると、ひざ関節を変形させ、変形性ひざ関節症になる可能性が高い」と話し、今回のデータは今後、多くの女性が正しい靴を選ぶための参考になるだろうと述べた。

日本でも、ハイヒールによる足への悪影響が指摘されている。日本靴医学会によると、慶應義塾大学病院の「足の外科」を受診する患者の4人に1人は外反母趾。その一番の原因が、ハイヒールであると同学会は指摘している。

スポーツ用品を販売する東京のエバニュー社が今年4月、全国の20~59歳の男女500人を対象にして行った調査によると、日常的に使用する靴の種類は「ヒール/パンプス」と答えた女性は全体の51.3%で、20代女性はさらにそのうちの70.8%を占めているという。

女性の関節は柔らかくて足からの衝撃を多く受けやすく、太ももの筋肉の力は男性より弱いため、女性は男性に比べて変形性ひざ関節症になりやすいという。多くの専門家はハイヒールより足に優しいスニーカーや柔らかい靴の着用を勧めている。

 (翻訳編集・豊山)