北朝鮮の砲撃事件、国際刑事裁判所で事前調査開始

【大紀元日本12月9日】国際刑事裁判所ICC) は、11月23日の北朝鮮による韓国・延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件について、北朝鮮の戦争犯罪行為にあたるかを定めるための調査に乗り出した。

オランダ、ハーグに本部を置くICCのモレノオカンポ主任検察官は7日、北朝鮮が戦争犯罪行為を犯した疑いがあるとの韓国の一般市民からの申し立てを受け、 韓国海軍と市民の犠牲者を出した同事件の事前調査を開始する。

訪問中のニューヨーク国連本部で開いた記者会見でオカンポ氏は、「申し立ては韓国政府からの正式な嘆願ではなく、韓国市民や学生からのもの」と話した。

韓国は、ICC設置を定めた、敵対的行為に係わらない民間人や軍事目的でないものへの攻撃を戦争犯罪とする「ローマ規程」に加盟している。「このため韓国の領土および国民に対する戦争犯罪、反人道的犯罪、大量虐殺に対して管轄権を行使できる」とオカンポ氏は事件への見解を示した。

韓国の李明博大統領は、爆撃された場所のわずか数メートル先の学校で授業が行われていたという事実を挙げて、「市民への襲撃は人類に対する犯罪である」と指摘している。

また、韓国海軍の水兵ら46人が死亡した哨戒艦「天安(チョンアン)」の沈没についても、同裁判所で調査が行われる予定。今年初め、 国際調査団は「北朝鮮の魚雷攻撃」による沈没という結論を出したが、北朝鮮側はこれを認めていない。

ICCは、戦争犯罪や人道に対する犯罪、ジェノサイド罪など、国際犯罪に責任ある個人を訴追し、刑事処罰を与える目的で2003年3月に正式に発足した。容疑者の逮捕状交付までには事前調査と公式調査が必要で、それを経て起訴に至る。現在、コンゴ民主共和国、北ウガンダ、スーダンのダルフール、中央アフリカ共和国、ケニアを公式の事案として取り上げており、アフガニスタン、ホンジュラス、コロンビアで事前調査が行なわれている。

国連事務総長も後押し

12月6日、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長はローマ規程加盟の113カ国が参席する国連会議の席で、国際刑事裁判が同事件に関わる必要性を強調した。

「国際的な正義があらゆるところで脅かされている現在、責務免除の時代は過去のものとして、犯罪実行者が真に犯罪責任をとる時代を築くために決意を固める必要がある。個人の国際犯罪を裁く司法機関としてICCは存在するのだから」と述べ、断固たる姿勢で国際逮捕状を発行するよう各国代表者に強く促した。

なおICCは国連の一部にはあたらないが、両機関は「協力関係」にある。

(記者・Jasper Fakkert、翻訳編集・鶴田)
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