<赤龍解体記>(2) 18大をかけて乱戦
2010年10月18日、中共第17期中央委員会第5回全体会議(5中全会)で、江沢民等から強い後押しを受けた太子党の習近平氏が、軍の要職・中央軍事委員会副主席に選出された。これで、軍副主席の選出が見送られるなどの風説が一掃され、習氏がポスト胡錦涛の道を歩めるか否かという謎も解けた。
5中全会は政権交代の重要な前哨戦であり、政治の時代を分ける分岐点である。任期が残り2年となった胡錦涛総書記は今後、新たな業績を作り更なるステップへ進むより、無事にその職務を全うしようとしているものと思われる。一方、次期最高指導者に確定した習近平氏は、足元を確かめながら小心翼翼と前へ進み、各派閥とのバランスを保ちつつ2年後の青写真を構想し、とりわけ自身のカラーとその打ち方を考案しなければならないだろう。
しかし、中共の政界はそのような単純構造ではない。5中全会前後から、党内の各派閥間で凄まじい乱戦が繰り広げられ、いろいろな方式でかけ引きや戦いが行われている。こういった戦闘は18大開催まで続き、優勝劣敗のゲームを通じて勢力の再編成が成し遂げられるのである。次の出来事がその一例として挙げられる。
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