放射能の被害に関する正しい知識を 

【大紀元日本3月26日】福島原発を危惧して日本から退去する外国人たち。どこまで心配すべきなのだろうか。噂にふりまわされ、不要に脅えることなく、放射能に関する正しい知識で対処したい。東大医学部付属病院放射線科の中川恵一氏がまとめたTwitterのコメントをもとに整理してみた。

放射能とは?

ものを突き抜ける能力が高い光や粒子を放射線といいます。その放射線を出す能力が放射能です。そしてこの放射能力を持つ物質が放射性物質です。

放射性物質の例は?

今回の原発事故では、放射性ヨードとセシウムが微量に検出されました。ウランの核分裂で生成されたものです。放射性ヨードとはパセドウ氏病(甲状腺機能の過剰)の治療に利用されます。治療に利用される量を考えたら、検出された量は僅かなものです。甲状腺に放射性ヨードが取り込まれた場合、30日で半分の量が体内から排出されていきます。

CT検査などは医療被曝として分類されます。放射線量の制限は設けられておらず、日本では国民一人当たりの医療被曝は年間平均約2−3mSvとされています。

私たちは常に日常、被曝してるって本当ですか?

自然被曝といわれますが、大気、大地、宇宙、食料から放出される放射線を、年間2.4mSv(ミリシーベルト)=2400μSvの割合で浴びています。

どのように人体に害を及ぼすのですか?

放射線にあたる量が多くなると、遺伝子が破損し、人体に影響を及ぼします。100mSvの蓄積以上がなければ発ガンのリスクも上がりません。

どの程度の被曝で症状が出るのでしょうか?

放射線量は200mSvが最小の検出可能な量ですが、症状が出るレベルは1000mSvです。4000mSvになると、60日後に50%の確率で亡くなると見られています。

東京の被曝レベルは?

3月15日、1時間1μSv=100日で2.4mSvの放射能が検出され、心配しましたが、16点xun_ネ降は、環境放射線は、東京、神奈川、千葉、埼玉で、1時間1mSvから0.052−0.053mSvのレベルに下がっています。1時間1μSvとしても発ガンリスクの問われる100mSvに到達するには、11.4年かかります。

妊婦への影響は?

放射線は妊娠後4ヶ月以内が最も胎児に影響を与えるといわれています。100mSv未満なら、その後の胎児には影響は出ないことが示されています。

乳幼児への影響は?

今回の原発事故は連鎖反応を起こしたチェルノブイリというよりも、スリーマイル島原発事故に似ています。この際、小児の発ガンリスクの上昇は見られませんでした。

被爆症状を抑えるために、製剤を服用するといいということを耳にしましたが、適切でしょうか?

ヨウ化カリウム製剤の服用などは一切不要です。また、ヨードを含むといわれるイソジンの服用も絶対やめてください。アレルギーや甲状腺機能異常などの副作用のほうがはるかに危険です。

不安や動揺から、理性的ではない行動をとってしまわないように、くれぐれも気をつけましょう。

(編集・鶴田)