中国臓器移植の内幕を描く『戦慄の臓器狩り』、台湾で出版

【大紀元日本7月4日】中国での臓器移植に関する組織犯罪について詳細に綴る調査書、『戦慄の臓器狩り』の中国語版(『血腥的活摘器官』)がこのたび、台湾で出版された。

同書の著者で、2010年ノーベル平和賞にノミネートされた人権弁護士デービット・マタス氏と、カナダ政府元高官デービット・キルガ氏は6月28日、台湾立法院で開かれた同書発表会に参加し、中国の監禁施設で生きた法輪功学習者の臓器を強制摘出する組織ぐるみの犯罪は、いまもなお進行している、と発表した。

両氏は2006年初め、法輪功迫害真相調査連盟(CIFPF)の依頼を引き受けて関連の調査を始めた。中国の刑務所に監禁されていた多くの証人に電話で聞き取り調査を行い、中国各地の臓器移植機構におとり調査をするなどして、数十項目の証拠を収集した。中国国内での現地調査を行うため、中国の入国ビザを申請したが拒否されたという。「これらの証拠を並べると、事件が組織犯罪であるという構図が浮き彫りになった」、「この地球上にかつてない、未曾有の邪悪極まる罪である」とキルガー氏は語った。さらに「我々が得た調査結果によると、中国の臓器移植機関と監禁施設が結託して、生きた法輪功学習者を殺害し、その臓器を高値で国内外の移植患者に売って暴利を貪っている。しかも、この犯罪はいまだに続いている」とも加えた。

両氏の調査によると、中国大陸では、1999年の法輪功弾圧前まで肝臓移植施設は22カ所しかなかったが、弾圧が始まってから2006年には506カ所に激増したという。腎臓移植施設も2001年には106カ所だったのに対して、2005年には368カ所に増加した。

発表会に列席した台北弁護士公会人権委員会の王展星・弁護士は、肝硬変を患った友人の台湾実業家が、中国国内で肝臓の完全移植を受けた実例を紹介した。同友人は移植後の拒否反応により、短期間で8回も移植を繰り返したという。同弁護士は、「すなわち、8人分の肝臓が強制摘出された。死刑囚は他人の命を奪ったために死刑を科せられた。この友人は自分を救うために他人の命を犠牲にした。死刑囚と同罪であり、しかもいかなる法的制裁も受けず、周りに中国での臓器移植を勧めた」と語った。その友人は移植を受けてから3年後、亡くなったという。

台中市医界連盟理事長の高嘉君医師によると、台湾では年間5千人以上が中国国内で臓器移植を受けている。「全世界ではもっと多くの人が中国に押し寄せて、臓器移植を行っている」と同医師は指摘した。

台湾法輪功人権弁護団のスポークスマン朱婉_qi_氏は、台湾立法院は臓器移植の関連法案を修正して、台湾人の中国での臓器移植を厳しく規制すべきと呼びかけた。

同書の原書である英語版は2007年1月、カナダで出版された。日本語版を含む19カ国に翻訳された同書は、両氏が立ち上げた独立調査機関「臓器狩り調査団」のホームページから読むことが出来る。

独立調査機関「臓器狩り調査団」Organ Harvest Investigation

http://organharvestinvestigation.net/

(記者・戴徳蔓、謝平平、施芝吟、黄玉燕 翻訳編集・叶子)

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