【生活に活きる植物】43・蒲(ガマ)

【大紀元日本9月24日】ガマは日本全土の川辺、湿地に自生するガマ科多年草。葉は線形で長さは1~2メートルにもなり、茎は伸びて先端に肉穂花序ができます。花序は2段に分かれていて上に黄色の雄花序、下に褐色の雌花序がつきます。雄花は苞が落ちると花が咲き、黄色い葯が一面に出て穂軸のみが残り、雌花には果実が熟すと綿毛がつきます。10月頃に結実して、いわゆる茶色のガマの穂になります。ガマは雄花序と雌花序が連続し雌花序の長さが約20センチのもの、コガマは約10センチのもの、そして両花序が離れていればヒメガマです。7月頃の花期に花粉を採取し日干し乾燥させたものが、生薬の蒲黄(ほおう)です。全草は香蒲(こうほ)といいます。

【学名】Typha latifolia
【別名】くみ、御簾草(みすくさ)
【成分】イソラムネチン(フラボノイド配糖体)、パルミチン酸などのグリセリド、ステロイド(チハステロール)など

 【薬用効果】蒲黄は肝、心包に働き、止血、利水作用があり、吐血、下血、尿道炎に有効です。一日量は乾燥物3~9グラムを煎服します。粉末をそのまま水で服用する場合は1回3グラムとします。外用には煎液適量を、あるいは花粉を直接塗布します。子宮収縮を起こすので妊婦には禁忌です。

【余談】「蒲」がつく言葉がいくつかあります。蒲団(ふとん)はガマの綿毛を入れたから、蒲鉾(かまぼこ)は竹輪のような形で花穂に似ていたから、蒲焼(かばやき)はうなぎを筒状に切って焼いた形が花穂に似ていたからだと言われています。『古事記』には、因幡の白兎が蒲の穂綿にくるまって傷を治したとありますが、花粉(蒲黄)に止血効果があるからだと考えられます。

若葉は食用となりますが、生長した葉や茎は編んで、莚(むしろ)や簾(すだれ)に利用されます。また、穂(果実)は硝石などを混ぜて火打ち石の火口に、また乾燥させて蚊取り線香の代用に使用されました。特徴ある形状から、生花にも利用されています。

ガマの穂綿

ガマ

(文・写真 / ハナビシソウ)