「傍若無人」な中国【1分で読める故事成語】

【大紀元日本1月4日】

傍若無人中国 露海域でも横取り 韓国漁船が「海賊行為」被害

これはSANKEI EXPRESSの昨年12月17日の記事のタイトル。昨年9月中旬、韓国漁船が日本海のロシア排他的経済水域内で入漁料を支払ってイカ漁をしていたところ、突然、中国の底引き網漁船が船団を組んで現れ、韓国漁船が集めていたイカをわが物顔で横取りする事件が起きていたのだという。12月12日に起きた不法操業の中国漁船員による韓国海洋警察隊員殺傷事件に対する怒りが収まらない中で明らかにされただけに、海賊さながらの中国の「傍若無人」ぶりに、韓国民の怒りは沸点に達し、ソウルの中国大使館前では連日抗議行動が行われていると報じている。

「傍若無人」ということばは、次の故事に由来する。

中国の戦国時代、衛の国の荊軻(けいか)は酒を好み、燕の国にやってくると、毎日のように犬を殺して売る者や高漸離(こうぜんり)と街中で酒を飲んだ。宴もたけなわになると、高漸離は筑(ちく、弦楽器)を鳴らし、荊軻はそれに合わせて歌い、共に大いに楽しんだ。やがて互いに泣き出したりもした。まるでそばに誰もいないかのようであった。(史記・刺客列伝より)

最後の「まるでそばに誰もいないかのようであった」の原文が「傍若無人」、つまり、「傍(かたわ)らに人無きが若(ごと)し」であり、その言わんとするところは、人のことなど気にかけず、自分勝手にふるまうということである。

ところで、傍若無人ぶりが気になるのはお隣の中国だけではない。程度の差こそあれ、人ごみで大声で話す、道をふさぐなど、いまの日本にも傍若無人な振る舞いが蔓延している。それに活を入れたのが、元NHKアナウンサー・鈴木健二著『傍若無人を叱る-当たり前な日本人の心を取り戻すために』(青春出版社)である。一読をお勧めする。

(瀬戸)