陳光誠氏の脱出事件、周氏粛清のベストタイミングか

【大紀元日本5月2日】盲目人権弁護士の陳光誠氏は27日、軟禁されている自宅から脱出し、米大使館の保護下にあり、米中間で現在解決策を協議しているとみられる。これまで陳氏の解放を要求してきた米政府にとって同事件は「人権尊重」の姿勢をアピールする良いチャンスであると同時に、「この事件は陳氏への迫害を加担してきた政法委トップである周永康・書記を処分する良いチャンスでもある」と大紀元時報のコラムニストである周暁輝氏は分析する。

脱出を支援した米人権団体「対華援助協会」の傅希秋会長は両国政府に近い情報筋の話として、双方は5日の米中経済および戦略対話までに解決策をまとめる見通しだと話した。

米中両国は同事件について、いずれもコメントを控えている。米政府は陳氏を保護したかどうかについて肯定も否定もしていない。一方、中国外交部の崔天凱・副部長も外国記者の質問に対して、「提供する情報がない」に留まった。

BBC中国語版の4月30日の報道によると、米国防次官補キャンベル氏は4月29日朝方、緊急に北京入りした。中国政府と陳氏の件について協議するためだとみられるが、米国大使館は同氏の北京入りを公表していない。一方、同次官補が北京のホテルにいる姿が撮られている。

周暁輝氏は米中両国政府の対応について、次のように分析した。

「米政府は必ず陳氏を保護するだろう。人権重視の姿勢を貫けば、世界から尊重されることになる。一方、中国の現指導部にとって陳氏が脱走後公開したビデオで、温家宝総理に出した三つの要求は全て中共政法委とそのトップである周永康・書記とに関連しており、周氏が率いる全国各地の政法委が、法的手続きを無視し市民を取り締まってきた事実に対し、胡錦濤国家主席と温家宝総理が陳氏の要求に応じるならば、必ず周永康氏と政法委にメスを入れることになる。これはまさに胡・温両氏への宿願でもある」。

陳氏は▼迫害の事実を徹底的に調べ、関係者を処罰する▼陳氏の家族の安全を保障する▼同迫害事件に関与する現地政府関係者の汚職問題を追究する、と公開ビデオで要求した。

また、周氏は「人民日報の4月26日付けトップ記事で、中央政治局常務委員会の9人の委員は周永康氏を除いて、全員の動向が報じられている、よって動向が報じられてない周永康氏はすでに失脚した可能性が高い。胡・温政権は国民の反応を試し、公表のタイミングを計っているだけだ。その中での、陳氏の脱出事件は政法委にメスを入れるきっかけを作った。胡・温両氏は陳氏の3点の要求に対応できる上、米国サイドとの信頼と国際社会の評価をも得られ、また国内では民意を勝ち取られる。米中両国はいかにこの方向に歩み寄るのか、双方の智慧が試される」と分析した。

一方、 欧米メディアは持病のある陳氏を米国で治療を受けさせるとの形で出国させる見方を示している。しかし、陳氏自身は友人に対し中国を離れずに引き続き人権のために最後まで抗争すると話している。

 (記者・李暁宇、翻訳編集・叶子)
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