【食と健康】 果物の寒熱温涼(続)

【大紀元日本10月10日】秋は、果物が豊富な季節です。果物にも寒熱温涼の特性があり、体質に合わない場合は健康によくない影響をもたらすこともあります。古代の漢方医学書には、果物の食用や薬用に関する多くの情報が記載されています。前号に続いてその一部をここでご紹介しましょう。

ビワ(枇杷)

ビワは甘、酸味、平性で、脾、肺、肝に作用します。肺を潤して口渇を治し、逆上の気を下げて咳と痰を治療し、胃気を調和して胃の不快感や吐き気を改善します。

カキ(柿子)

カキは甘味で、寒、渋の性質があり、心、肺、大腸に作用します。清熱、潤肺、止咳、消癭(甲状腺腫を消す)し、耳鼻の気を通して鼻づまりや耳の閉塞感を治し、胃熱を抑えて口渇を改善します。

寒性の食べ物ですから、お腹が冷えて下痢しやすい人は食べない方が良いでしょう。

干し柿

干しガキは甘味で、平、渋の性質があり、脾胃の機能を強化して虚弱体質を改善します。腹中の瘀血を消して吐血を止め、心肺を潤して心熱や肺の乾燥による咳と痰を治します。耳鼻の気を通して鼻づまりや耳の閉塞感を治し、喉を潤わせて声のかすれを改善します。吐血、尿血、痔の出血などにも効果があります。

干しガキを焼いて炭状にすれば、止血作用がより強くなります。

キンカン(金柑)

キンカンは辛、甘味、涼性であり、脾、肺、肝に作用します。気の流れを良くして気分の鬱や胸の痞えを改善し、湿と痰を取り除いて咽喉の不快感を解消します。また、食べ過ぎやお酒の飲みすぎによる症状を軽減し、口の乾きや口の臭いなども改善します。

キウイフルーツ(獼猴桃)

キウイフルーツは甘、酸味で寒の性質があり、脾、胃に作用して、解熱、止渇、抗癌、和胃、通淋(利尿)、消食(消化を促進)などの効果があります。食欲不振、消化不良、癌患者放射線治療後の微熱や咽喉乾燥、口渇、尿結石などには補助的な治療効果があります。

イチジク(無花果)

イチジクは甘味、平性で、肝、脾、大腸に作用します。消炎止痛、健胃止痢、潤肺止咳、清熱潤腸の効果があり、痔、咽喉腫痛、赤痢、小便不利、打撲、消化不良、精力減退にも補助的な治療効果があります。

 (利雪珍)