<赤龍解体記>(97)軍隊も紀律是正 習近平氏、元老政治をいっそう排除か

(Lintao Zhang/ Getty Images)

【大紀元日本12月25日】中国共産党中央軍事委員会は21日、「中央軍委が軍隊の紀律建設強化に関する10の規定」を発布した。習近平総書記の提案によって4日に発布された「習八条」と称される紀律是正の規定に呼応したものと思われる。

今月4日に開かれた中国共産党政治局の会議において、習総書記は、共産党員の紀律を改善する「8つの規定」(中央の許可を除けば、個人としては著作や談話などを出版せず、祝電や祝賀の手紙を出さず、題字や題辞もしないなど)を提起した。この「習八条」は、胡錦濤主席が完全引退を以って江沢民氏の政治関与を食い止める措置をより強化したものと見られている。

中央軍事委員会が発布した「10の規定」は以下の内容を含む。「軍事委員会の副主席、委員らが普通の会議に出席した際に、その活動を報道しない。重要な会議や活動を行うなどの報道する必要がある場合、報道する字数や時間を圧縮する」「軍事委員会メンバーが軍事委員会を代表して談話や文章を発表したりし、また、個人が重大で敏感な話題に触れるような談話や文章は、軍事委員会の許可を必要とする。中央と軍事委員会が決めたことを除いて、個人の著作を出版しない」「中央や軍事委員会の手配を除けば、軍事委員らは各種の祝賀会、記念会、表彰式、シンポジウム、上映会などに参加せず、会見、共同撮影、授賞式、開会式、落成式などに参加せず、祝電や祝賀の文書を出さない、題字、題辞をしない」など。

これらの規定は軍部がメディアを通じて世論に影響を与え、それによって、政治に圧力をかけるという従来の軍部のやり方を改める狙いがあると見られる。

また、著作や題字に関する規定は江沢民氏ら元老の関与をいっそう排除する動きとも読み取れる。山東大学の元教授・孫文広氏の2003年に行われた調査によると、共産党指導者の中で、題字や題辞をもっとも好むのが江沢民氏であり、3万3800の題字は毛沢東の2万2800条をはるかに上回っている。「いたる所のあらゆる分野」に及んでいるという。

習氏が立て続けに打ち出した規定は、前任の胡氏の完全引退の成果をいっそう強化し、江氏の軍隊や党における影響力を減らすとともに、自身の権威を高める方策とも窺える。

(翻訳編集・呈工、張英)
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