中国の大気、危機的 世界のワースト10に7つ占め 室内空気も危ない

【大紀元日本1月17日】大気汚染が深刻な都市ワースト10のうち、中国の7都市が占めている。また、中国の規模の大きい500都市中、WHO世界保健機関の推奨する大気基準に適合しているのは1%にも満たないという。

これらは14日に発表された『中華人民共和国国家環境分析』が明らかにしたもの。ワースト10にランクインした7都市は、北京市、重慶市、太原市、済南市、石家庄市、蘭州市、ウルムチ市となっている。

さらに同報告書によると、中国の大気汚染が毎年もたらした経済損失は、疾病費用に基づいて推定すると、国内総生産(GDP)の1.2%に相当し、支払意思額に基づくと3.8%にも達しているという。

室内空気も脅かされている。持続的な観測は行われていないが、消費者協会の、ある研究調査によれば、北京と杭州の室内空気のホルムアルデヒド濃度は基準値の1.7倍を上回っており、ベンゼンの濃度は安全基準値の11倍にも達している。また、新車の94%は車内空気汚染指数が基準値を超え、新築家屋の90%がホルムアルデヒド濃度の基準値を超えていることが明らかになった。

報告書は、中国の日増しに増加するエネルギー供給需要、自動車台数の急増、工業の急速な拡大が大気汚染を悪化させ、人体や生態系にマイナス影響を及ぼしていると指摘した。

アジア開発銀行の水資源専門家・張慶豊氏は報告書の発表会見で、省エネ・廃棄物削減を奨励するシステムの構築を政府が重視すべきと指摘。中国の財政改革にエコ税収制度を導入し、税収を省レベル以下の政府に回せば、彼らが環境保護や資源節約への投資に力を入れ、良いサイクルができあがると張氏は提案した。

(翻訳編集・坂本了)
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