全人代 常務委員ら、論調に違い 権力闘争が表面化

  (Feng Li/ Getty Images)

【大紀元日本3月7日】中央政治局常務委員7人が6日、北京で開催中の全人代の地区別代表団会議にそれぞれ参加し、政治主張を表明した。これまで公には「高度な一致」を保ってきた常務委員らの論調に違いが見られ、派閥暗闘の様子が浮かび上がった。

上海代表団の会議に参加した習近平氏は、「改革は難関期と深水区に入った」との認識を示し、「思想観念と利益固結の障碍を突破し、困難や危険を恐れない勇気を持つべき」と改革への決意を強調した。

湖南省代表団会議に出席した李克強氏も改革に力を込める。「経済の持続的発展には経済成長モデルの転換が不可欠だ」と述べ、その実現に「理念上の創意と実践上の行動が必要だ」と話した。

さらに、習氏が掲げる反腐敗運動の先頭で指揮をとる王岐山氏は北京代表団の会議で、「反腐敗闘争は党の存続にかかわる」と改めて「全党」での腐敗摘発を強調した。

一方、江沢民氏系保守派委員の劉雲山氏と張高麗氏、張徳江氏の3人は「安定」を強調し、_deng_小平氏がかつて唱えた「安定の中の進歩」を引き出し、口調を揃えた。

内モンゴル代表団会議に参加した劉雲山氏は、「自信をもって、中国式社会主義道路をいっそう堅持し、揺れてはならない」と強調、習氏の「思想観念と利益固結の障碍を突破」や王氏が危惧した「党の存続」と反対の論調を展開した。

張高麗氏も天津代表団会議で「政策の連続性と安定性」を取り上げ、習氏の改革路線に釘を刺した。

江氏に連なる勢力はこれまで、鉄道や石油、通信などの国内重要産業を牛耳っており、巨大な利権ネットワークを構築した。腐敗へのメス入れと抜本的改革は、この勢力の既得権益を脅かし、勢力からの強い抵抗を受けている。

(翻訳編集・張凛音)
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