NZ乳製品問題 中国、輸入ミルク叩きに躍起 消費者は依然「国産信頼できぬ」

【大紀元日本8月6日】ニュージーランドの乳業大手フォンテラ社の一部製品からボツリヌス菌が検出された問題をめぐって、中国政府系メディアは批判に躍起になっている。2008年の国内メーカーによる毒ミルク事件以来、輸入ミルクへ消費者が移行した状況に、これを機に歯止めをかけたいという当局の狙いが窺える。

5日の人民日報(海外版)の一面を飾ったのは、「ニュージーランドの汚染乳製品流入を阻止 品質監査機関が一斉に剣を抜き出す」という勇ましい見出し。記事は、問題となったフォンテラ製乳清タンパク質を輸入した企業を明記したうえ、当局の対応をアピールした。

記事はまた、「多くのネットユーザーの声」として、「ボツリヌス菌は、叩かれ続けた国産粉ミルクでも検出されたことのない致命的な菌。それが、みんなが信じて疑わなかった海外の物から発見されるとは。まことに驚くべき事態だ」「粉ミルクは国産・輸入で品質を決め込むのは間違いだ」と続けた。また専門家の話を引用し、「消費者がやみくもに海外メーカーを信頼する心理を変えなければならない」とここぞとばかりに、国産粉ミルクへのシフトを訴えかけた。

しかし、政府系メディアの懸命なアピールをよそに、消費者は冷ややかだ。

MISS馮ママ:中国メディアは世論を誘導するのはお手の物。輸入ミルクを叩いて国産の地位を上げようとしている。しかし、国内メーカーは世間の目をくらまして悪いことをしている。国産ミルクを信じるお母さんなんていないよ。

Chauvet zhao:海外は未然にリコール。中国は人が死んでからメディアに出る。最近のメディアの腐心は意図が見え見えで、レベルが低い。

模範兄貴:海外のミルクは管理不届きによる「過失致死」。国産は人為的にメラミンを混入して「故意殺人」。

淘滋源:中国にはこういう自社製品の問題をさらけ出す所はないよな…

今回の騒動で、「漁夫の利」を得るのは「フォンテラ製品を使っていない海外メーカーの粉ミルク」と指摘する専門家もいる。業界専門家の宋亮氏は第一財経日報の取材で、「国内メーカーは消費者の信頼を得るにはまだまだ時間がかかる」とし、ボツリヌス菌騒動は国内メーカーにとって、追い風となる可能性はあるが、効果は限定的だと指摘した。

この指摘を裏付けるように、安徽省のユーザー・滁州叶小ジョウが5日、「昨日の夜から、娘の粉ミルクをヨーロッパ製に切り替えた。親は振り回されっぱなしだ」とミニブログで呟いた。

(翻訳編集・張凛音)
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