「大気汚染より重大」 北京の水汚染「危機的」

【大紀元日本8月8日】北京市の生活用水を供給する5つの水系の汚染はいずれも深刻であることがこのほど、環境保護部の調査で明らかになった。「大気汚染の問題よりも重大」だと専門家は注意を喚起している。地元紙・新京報が8日伝えた。

環境保護部(省)の調査は北京市の5つの水系の50の河川を対象とした。すでに干し上がった9つの河川を除き、すべての河川は汚染物質が基準値を超えている。

汚染物質のなかで、アンモニア性窒素汚染がもっとも深刻だという。14の河川は基準値を10倍以上上回り、基準値の75倍の河川もあった。有機物の含有量を示す酸素消費量やリンの総量も、すべての河川で基準値超えが確認された。

深刻な水質汚染は汚水処理施設の欠如によるものだと同調査。特に、都市部と農村部が接する地域では、人口は急増しているが、汚水処理施設の普及率はまだ6~7割にとどまっている。汚水管整備も遅れを取っているため、多くの地域では、家庭や町工場からの汚水は川に垂れ流されている。

調査を行った環境保護部の華北環境保護監査センターは、北京市の水汚染状況は「危機的」だとしている。専門家も「北京の地表水汚染は、厳密に言うと、大気汚染の問題よりも重大」だと指摘し、警鐘を鳴らしている。

北京動物園の汚染された湖で泳ぐ水鳥、2013年4月撮影 (Feng Li/Getty Images)

ゴミで埋もれた北京近郊の川、2012年3月撮影 (MARK RALSTON/AFP/Getty Images)

(翻訳編集・張凛音)

関連記事
[上海 22日 ロイター] - 2021年に世界保健機関(WHO)の大気質基準を満たした国はゼロだった。6475都市を対象とした調査の結果が22日公表された。 WHOは昨年大気中の微小粒子状物質「PM2.5」の許容濃度を変更し、1立方メートル当たり5マイクログラムとするよう指針を強化した。 ただ大気汚染の実態を監視するスイス企業IQAirによると、調査対象の都市のうちこの基準を満たしていたのは全体
「白血病」という病気があります。 半世紀前であれば、この病名には、当時の医療で完治がかなう希望的な響きはなく、むしろ「不治の病」として、小説や映画における主人公の「残された人生の時間」が描かれる題材にもされていました
イタリアでの新しい研究では、毎日の汚染物質濃度と院外心停止(OHCA)の発生率との間に密接な関係があることが判明しました。一酸化炭素、二酸化硫黄、ベンゼンなど汚染物質への短期暴露がOHCAのリスクを高める可能性があることを示しています。
米国のハーバード大学とボストン大学の最新共同研究は21日、中国当局が提示した大気汚染データと中国の米国大使館が観測したデータとの間に「統計上の大きな差がある」と指摘した。
米国務省は9月25日、中国が犯している11の環境破壊を詳述した報告書を発表した。報告によれば、中国は世界最大の温室効果ガスおよび海洋ゴミの排出国、そして世界最大の違法・無報告・無規制漁業の乱獲者、さらには世界最大の野生動物および木製品の密輸・消費国であると指摘した。