小学生、鼻血が相次ぐ 学校周辺に36軒の違法工場=浙江省

【大紀元日本9月12日】中国浙江省楽清市でこのほど、小学校児童が体調不良を訴え、鼻血や嘔吐の症状が出る集団事件が発生した。学校周辺に乱立する工場の排気が原因ではないかとする声が上がっている。

中国メディアの報道によると、事件があったのは同市北白象鎮第九小学校。新築の校舎に移り新学年をスタートした初日の3日午後、校舎周辺で強い悪臭が発生し、翌4日も断続的に続いた。この日から、生徒19人に相次ぎ鼻血の症状があらわれ、百人近くは胸が苦しい、吐き気を訴え、嘔吐する人もいた。

これを受け、5日、同市環境保護機関が現場調査を行った。その結果、「大気中の酸化クロム( CrO3)が安全基準を超えた」と発表し、感染源はまだ特定できていないとしている。

今回の調査で、学校周辺、半径0.5キロの地域に化学関連の工場が36軒あることが判明。うち6軒は操業許可を得ておらず、28軒は排気の許可を得ていない。許可を得た2軒にも規定違反の疑いがあるという。36の工場すべてに問題があったと報告書は結論づけている。

一方、同市当局は「付近の住民には異常がみられていない」としている。

酸化クロムは強い毒性、腐食性、発がん性を持っており、人が吸入した場合、呼吸器に重度の炎症を起こす恐れがある。

また、同校校舎は建て替えが終わったばかりで、一部の設備の塗装作業はまだ続いている。今回の調査で校内からベンゼンも検出されていることから、塗装が集団事件の原因ではないかとの見方もある。

同市環境保護機関の専門家は国内メディアに対して、今回の大気測定は異臭が収まってから行ったことを指摘し、「中毒事件の原因を判断する根拠になりかねる」とみている。

(翻訳編集・叶子)
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