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亡くなった人と夢で逢える=米研究

愛する人を亡くした時ほど悲しいことはない。せめての中だけでも逢うことができるなら・・・と願う人も多いはず。それは、悲しみを幾分、減らしてくれるからだ。

 米デューク大学のカミーユ・ウォートマン博士(Camille Wortman)は死別の悲しみについて研究を行っている。ウォートマン博士によると、20%から40%のアメリカ人は、夢を含むなんらかの形で亡くなった人とコミュニケーションをとったことがあるという。「悲しみの中にある人たちは、死者とコミュニケーションを取ることにより、慰められます」とウォートマン博士は話す。

 誘導型の死後コミュニケーション

 志願者が夢で死別した人に逢えるよう誘導する「誘導型死後コミュニケーション」(IADC)の研究も進んでいる。IADCとは、眠っている志願者の目を動かして人工的にREM睡眠を起こし、夢で死別した人に逢えるようセラピストが誘導するという手法だ。

 同研究を続けるアラン・ボトキン博士(Allan Botkin)のセラピーを受けたジュリア・モスブリッジさん(Julia Mossbridge)は、IADCを、とても効果的だと話す。

 ジュリアさんはジョッシュという友人を交通事故で亡くしていた。ジョッシュが事故に遭ったのはダンスパーティーに行く途中で、もともと行く予定ではなかった彼に、出席するよう誘ったのがジュリアさんだった。自分が誘わなければ彼は事故に遭わなかった、という罪の意識がジュリアさんの心に残っていた。

 IADCを受けたジュリアさんは、次のように話す。「ジョッシュが後ろのドアから出ていくのが見えました。彼は若くて、はしゃぎながら元気に走り回っていました。彼に逢えて嬉しかったけど、一方でこれはぜんぶ妄想かしらとも思っていました。彼は私に、あなたは悪くないよ、と言ってくれました。私は彼を信じます」

 そして、その夢には不思議な偶然もあった。ジョッシュは彼の妹の犬と夢の中で遊んでいたが、その犬は後に、すでに亡くなっていたことをジュリアは知ったのだ。

 「いまだに、何が本当かよく分かりません。でも、私はもう彼が事故に遭ったシーンを繰り返し見ることはなくなり、今では彼が元気に笑って、犬と遊んでいる光景が心に残っています」

 患者が夢を現実と思うかどうかに関わらず、このセラピーにはポジティブな効果があるとボトキン博士は指摘している。

 突然、死者の声が聞こえた

 また、夢ではなく、実生活の中で死者とコミュニケーションをとったという人も多い。自身の経験を「死後コミュニケーション」(after-death communication)と名付け、米国やカナダで2000件の症例を集めた研究者がいる。

 ビル・ガゲンハム氏(Bill Guggenheim)は、家でテレビを見ていた時に、突然「外に出て、庭のプールに行きなさい」という声が聞こえた。

 声に従ってプールに行くと、囲いのドアが少し開いていた。それを閉じて家に戻ろうとしたところ、彼の2歳になる息子がプールの底に沈んでいるのを発見したという。

 幸運なことに、発見が早かったため息子は助かった。ガゲンハム氏は、彼がいた部屋からプールの水の音は聞こえないし、息子が外にいるなどとは思いもよらなかったと話す。

 その後、同じ声はガゲンハム氏に死者とのコミュニケーションについて研究するよう促した。彼は証券会社に勤めるサラリーマンであり、博士号なども持っていない。この分野を研究しても、誰も彼を信用しないだろうと思ったが、声は言った。「研究して、本を書きなさい。お前のスピリチュアルの仕事だ」

 臨死体験と共に、進んでいく死後コミュニケーションの研究。神秘の部分が明かされていくことを期待したい。

 

 (文・郭丹丹)
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