中国の大気汚染に対応策 「授業中止も可能」=台湾

【大紀元日本6月17日】中国各地で深刻化している大気汚染問題。隣接する台湾は対策を講じ始めている。

 北京の米国大使館の観測データによると、2008年4月から2014年3月までのうち、米国の「大気は良好」とする基準に適合する日は25日間しかない。

 近隣諸国への影響も強まっているため、台湾当局は動き出した。

 行政院環境保護署はこのほど、9月から関連海域に船を派遣、大気を観測する計画を発表した。

 教育部は、「観測」「早期警報」「連絡」の対応体制を立ち上げ、大気汚染に関する詳細基準を定め、「一定の基準を超える場合、学校の授業は中止できる」などの対策を打ち出した

 あわせて以下の基準が発表された。

 大気汚染基準指数PSIが400以上、PM10(粒子径10μm以下の粒子状物質)が500μg/m3(マイクログラム/立方メートル)以上、PM2.5(粒子径2.5μm以下の微小粒子状物質)が350.4μg/m3以上のいずれかの場合、各地政府の判断に準じて学校の授業を中止できる。

 また、PSIが300以上の場合、「緊急警報」を発動。各地政府が所轄の学校に連絡し、マスクや保護メガネの着用を呼びかける。

 妊婦や、喘息、慢性呼吸器疾患、心臓血管疾患、アレルギー性体質の人を対象に、以下の特別基準も設けた。

 PSIが300以上、PM10が420ug/m3以上、PM2.5が250.4ug/m3以上のいずれの場合も、休業、休学できるとした。

 そのほかにも、PSIが101~299の場合は、マスクの着用や窓閉め、長時間の屋外滞在を避けるなどの対策を薦める「基本防護」の基準を定めた。

 

(翻訳編集・叶子)

 

 

 

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