人の臓器の違法取引を禁止する新条約=欧州評議会

【大紀元日本7月25日】欧州評議会の閣僚委員会は9日、人の臓器に関する違法取引を禁止する新たな国際条約を採択した。

条約は、臓器取引の犯罪組織を取り締まる警察の権限を高め、刑事犯罪として追訴するための国際的な連携を強める目的がある。

禁止する内容には、臓器提供者(ドナー)に自由な提供意思が示されない場合、または第三者が取引に際し金銭上の利益を受ける場合などが含まれる。

この条約の効力について欧州評議会は「国際レベルでの協力を促す」という。「臓器移植のための違法取引は世界中に存在する」「(違法な臓器取引は)個人・公衆衛生において基本的人権の侵害と侮辱である」と示した。

世界保健機構(WHO)は「中国では2005年の1年で、腎臓および肝臓の移植が1万2000件行われた。移植用臓器のほとんどが死刑囚から調達された」と強く批判していた。

取引の当事者間の合意について、欧州評議会のスポークスマン、エステル・シュタナー氏は大紀元の取材に対し「自由意思のもと、正しい情報を得た上でドナーの合意が得られること」と答えた。また「死刑囚は不当な圧力にさらされている危険があるため、臓器提供が自由意志で合意を得られているとは認められない」と述べた。

中国国営新華社通信は同条約の採択について報じたが、中国当局が協力するかどうかは触れていない。

(翻訳編集・佐渡 道世)
関連記事
中国の謝鋒駐米大使が20日、米ハーバード大学ケネディスクールで講演中、複数の学生活動家による抗議が起こり、演説は何度も中断された。抗議者は中国共産党によるチベット、新疆ウイグル自治区、香港での高圧的な政策を非難し、非合法な臓器狩りを糾弾した。
東京の江東区総合文化センターで4月中旬、中国臓器狩り問題を伝えるポスター展が開催された。展示ホールに並んだ作品 […]
米国のアリゾナ州とアイダホ州議会は先週、中国共産党(中共)による臓器狩りに対処する臓器移植修正法案を可決した。知事が署名すれば成立する。
豪上院委員会では、中国における強制臓器収奪問題に関する新たな法案の審議が行われている。同法案は、豪州に入国する者に対し、海外での臓器移植に関する質問への回答を義務付けるものだ。中国共産党による臓器収奪の実態について新たな証拠が明るみに出る中、豪政治家間でもこの問題への関心が高まっている。
世界最大のDNAデータベースを構築し、中国人民解放軍に協力しているとされる中国の大手ゲノム企業、華大基因(BGI)。その遺伝子情報が、臓器狩りに利用されている可能性があるーー。米議会の超党派で構成される米中経済・安全保障調査委員会(USCC)では21日、中国における強制臓器摘出問題に関する公聴会が開かれ、こうした指摘がなされた。