吉林の大学病院長を調査 「臓器狩り」関与か

【大紀元日本8月6日】中国共産党中央紀律検査委員会(中紀委)は「重大な紀律違反」があったとして吉林大学付属第一病院の王冠軍院長の調査を公式サイトで発表した。調査の詳しい理由は明らかになっていないが、同病院は、強制的に生体から収奪された臓器の移植手術を地下施設で行っていると以前から海外メディアに報じられていた。

王氏は同大学共産党常任委員会委員、副校長も兼任する。中国メディア・北京青年報によると、中紀委は今年に入り、少なくとも12校の大学のトップに対して調査を行った。うち3分の1は医学部を設置している。

王氏は2004年12月、同病院の院長に就任した。2年後、海外向け中国語ラジオ「希望の声」は隠蔽された同病院の地下腎臓移植センターについて報じている。当時、中国全土の病院でトップ2の移植手術件数を数えた同病院移植センターは当時「臓器提供ドナーは病院独自の方式で管理され、20~30代と若く、従来の『順番待ち』でなく生体から取り出して数時間の新鮮なものを使用」「24時間(内)移植手術」などと宣伝していた。

また患者は中国全土からやって来て、韓国、日本からも来院したという。

法輪功迫害状況を伝える人権情報サイト「明慧ネット」は2006年9月、同病院関係者の話として、4月~5月に行われた20件以上の腎臓移植手術の臓器ドナーは、2件のみが家族で、他はすべて出所不明と伝えている。また7月以後は毎日7、8件の腎臓移植手術を行っていたという。

同サイトが伝える「臓器狩り」移植手術を知る遼寧省瀋陽のベテラン軍医によると、中国全土には法輪功学習者を収監する集中拘留所が36カ所ある。また、吉林省には12万人が収監され、その人数は「最悪レベル」だという。吉林大学第一医院の地下室にある闇の「臓器バンク」の存在も指摘された。

(翻訳編集・佐渡 道世)
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