中国の李国強首相 (Lintao Zhang/Getty Images)

重大な変化あるのか?李克強首相 中国経済に問題現れたら「断固たる措置を」

中国の李克強首相は2月14日に開催された国務院常務会議において、「もし(中国経済情勢が)合理的な範囲から出てしまう兆候があれば、断固たる措置を採る」、「(孫悟空の)如意金箍棒で徹底的に応戦する」と稀に強い口調で発言した。李首相の発言を受け、関係者は四年前の温家宝元首相が両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)で、当時重慶市トップ薄煕来を批判した状況と酷似しており、李首相の発言から今後中国当局指導部において重大事件発生の可能性を読み取れるとの見解を示した。

14日の国務院常務会議において、李首相は「中国経済は非常に多大な困難に直面している」、「新たな不確実要因がある」と述べ、関連部門官員に対して「強い警戒感を持ち、金融市場の安定を維持していく」と求めた。また、今後業界の監督管理を強化していくと表明し、「今年いったん経済が合理的な範囲から出てしまう兆候があれば、措置を採るべき時に我々は断固たる措置を採っていく」、「如意金箍棒を振り回して応戦していく」と述べた。今後金融市場と国内経済に対して何らかの政策を打ち出すことを示唆した。

一方、李首相は昨年中国株式市場の混乱及び人民元の激しい動きについて、当局が採った政策は「正しい」と評価し、「ある期間内に、一部の爆弾を除けた。システム金融危機の発生を回避できた」と述べた。

2月17日付ブルームバーグは当局の情報筋の話として、李首相の発言は2012年3月に開催された両会記者会見で温家宝元首相が、当時重慶市トップ薄煕来の行政は「文化大革命の余毒」と批判した強い口調と似ていると指摘し、李首相の発言から国内外に対して今後中国株式市場や中国経済に関して重大事件発生の可能性を読み取れると報じた。当時温家宝元首相が薄煕来を批判した翌日に薄煕来が失脚した。

昨年夏の中国株暴落で中国証券業監督管理当局である証監会の一部の幹部と、政府の救済策を実行した「国家隊」の主要国有証券大手の幹部がインサイダー取引の疑いで逮捕された。これを受け、習近平政権は金融業界に対して全面的な反腐敗キャンペーンを加速させただけではなく、金融業界を監督管理する三つの委員会である証監会、銀監会と保監会、また人民銀行(中央銀行)、いわゆる1行3会に対しても整頓と合併を加速させようとしている。

ブルームバーグによると、今回の国務院常務会議において1行3会の整頓と合併の加速化を決定したが、敏感な問題であるため国内では一切報道されていない。「1行3会の整頓と合併は議事日程に上がり、早ければ3月の両会で議論される」と情報筋は述べた。

(翻訳編集・張哲)

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