2016年12月20日、会議のためニュージャージー州を訪問したドナルド・トランプ氏(Drew Angerer/Getty Images)

トランプ新大統領誕生 9つの歴史的記録とは?

1月20日に米国第45代大統領に就任したニューヨークの不動産王ドナルド・トランプ新大統領。同大統領が米国の歴史に少なくとも9つの記録を樹立したことをご存じだろうか。

その1:米国史上最年長の大統領

BBC放送が報じたところによると、過去44人の米大統領の平均年齢は55歳。トランプ氏は昨年6月14日に70歳の誕生日を迎えていたため、レーガン大統領を抜いて米国史上最年長の大統領となった。レーガン大統領が1981年に初就任した時の年齢は69歳。

過去最高齢とはいえ、トランプ氏の主治医は「トランプ氏は米国史上最も健康な大統領だ」と新大統領の健康に太鼓判を押している。

ちなみに米国史上最年少の大統領は、1901年に就任したセオドア・ルーズベルト大統領で、就任当時わずか42歳だった。

その2:米国史上最も裕福な大統領

米経済誌フォーブスが推定したトランプ新大統領の個人資産は37億米ドル(約4,190億円)だが、同氏は自身の総資産を100億ドル以上だと認めている。また同紙は以前に、大統領就任後は年40万ドル(約4,300万円)の大統領給与を辞退し、法律で定められた最低年俸である1ドルしか受け取らないと明言している。

米国では過去にも億万長者が大統領に当選している。米国の初代大統領、ジョージ・ワシントン大統領は大農場主で、同氏が所有していた不動産を現在の価格に直すと5億ドル(約538億円)以上に上るとみられている。

その3:米国史上切っての金持ち政権

米投資家で商務長官に就任したウィルバー・ロス氏(SAUL LOEB/GettyImages)

トランプ氏が人選した内閣をみると、米国史上最も裕福なメンバー構成となっており、まさに「億万長者クラブ」と称するに足る。

フォーブスの推定によると、商務長官のウィルバー・ロス氏が所有する資産は約29億ドル(約3,285億円)。この額はジョージ・W・ブッシュ大統領が2001年に組閣した時の閣僚全員の総資産の約10倍に匹敵する。当時のメディアはブッシュ大統領の組閣人事を「百万長者クラブ」と称していた。

またロス氏の補佐官と内定された、米メジャーリーグMLBシカゴ・カブスのオーナーで、米オンライン証券大手のTDアメリトレード・ホールディングスの共同創立者でもあるトッド・リケッツ氏だが、同氏も18億ドル(約2,039億円)の総資産を有している。

財務長官に就任した元ゴールドマン・サックス幹部のスティーブン・ムニューチン氏の資産について、同誌は少なくとも5億ドル(約566億円)と類推しており、国務長官のエクソンモービル会長兼CEO、レックス・ティラーソン氏の資産も、同誌が公表した財産目録によると5億ドルと見られている。

米ビジネスメディア「クオーツ」は、トランプ政権メンバー全体の総資産は350億ドル(3兆9,644億円)で、これはボリビアのGDP(国内総生産)を上回っていると「控えめに」報じている。

その4:政治経験の最も乏しい大統領

これまでに州知事や上下院議員等の政治経験を全く持たないトランプ氏は、過去60年で最も政治経験の乏しい大統領としてすでによく知られている。もっともトランプ大統領自身は、政治経験のないことは財産ではあるが欠点ではないと明言している。これまでの大統領と違い、トランプ氏は「やり手のビジネスマン」。

過去に存在した政治経験のない大統領と言えば、1953年に就任したドワイト・D・アイゼンハワー大統領。第二次世界大戦中の連合軍遠征軍最高司令官だった。

その5:家族の影響力が強い

1月20日、大統領の就任パレードを見つめる、(左から)トランプ政権の上級顧問に就任する長女の夫ジャレッド・クシュナー、代理ファーストレディーを務めるとされるトランプ氏長女イヴァンカ・トランプ氏、メラニア・トランプ氏(NICHOLAS KAMM/AFP/Getty Images)

 

 

トランプ新大統領の娘婿、ジャレッド・クシュナー氏はホワイトハウスの上級顧問に指名されたが、その妻でトランプ新大統領の娘イヴァンカさんがどのようなポストを与えられるかはまだ明らかになっていない。だが複数のメディアが、イヴァンカさんとクシュナー氏は米国史上もっとも影響力のある大統領の家族になるだろうと報じている。

その6:ホワイトハウスから「ファースト・ドッグ」が消える

歴代の大統領のほとんどがホワイトハウスでペット(その多くが犬)を飼っていたが、トランプ新大統領にはその予定がない。ジョージ・ワシントン初代大統領から約100年間続いたホワイトハウスの「伝統」が過去のものになってしまった。

大統領ペット博物館(Presidential Pet Museum)のデータによると、過去ほとんどの大統領がホワイトハウスでペットを飼っており、小動物園さながらに多くのペットでにぎわっていた時期もあった。

その7:不公平な貿易に最も反対している大統領

トランプ大統領は現在の自由貿易政策が米国の製造業を衰退させたとしてこれを強く批判しており、1929年に就任したハーバート・フーバー大統領以来の「自由貿易反対」発言を続けている。

「中国は今もアメリカの首を絞め続けている」2015年9月、英週刊紙「エコノミスト」の取材を受けた際、トランプ大統領はこのように発言し、さらに「中国は為替操作により米国人の雇用の機会を奪っている。その上米国製品に高い関税をかけて貿易障壁を設けている。大統領に当選したら中国に対し報復関税をかけるつもりだ。わずか12%の関税で、中国の「為替ゲーム」をやめさせることができる」と強気の姿勢を示した。

またトランプ氏は16年10月22日に発表した「アメリカ人有権者との契約」という新政権最初の100日計画の通り、大統領就任式典直後にホワイトハウスの公式サイトで、TPP(環太平洋経済連携協定)からの離脱を発表した。また22日に行われた大統領補佐官らの宣誓式では、NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉を進めるとも述べている。

その8:最も異色のファーストレディ

ファーストレディとなったトランプ氏の妻、メラニアさんの生まれは旧ユーゴスラビアで、英語が母国語でない初めてのファーストレディとなった。外国生まれで初めて大統領夫人となったのは第6代大統領ジョン・Q・アダムス大統領の妻、ルイザ・アダムスさんだが、ルイザさんはロンドン生まれだった。

メラニアさんはスロベニア語、英語、フランス語、ドイツ語、セルビア語など複数の言語を話すことで知られており、米国史上最も外国語に長けたファーストレディであることは間違いないだろう。

その9:ソーシャルメディアの活用に最も長けている大統領

トランプ氏が一般的な政治家の取る手法と違うところは、大統領選が始まって以来「トランプ砲」とも呼ばれるAndroid端末から国民に向けてツイートを発射し続けてきたこと。

大統領就任直前にはツイッターのフォロワーは2100万人を超え、フェイスブックでは1800万人、インスタグラムにも500万のフォロワーを抱えていた。

20日の大統領就任後、トランプ大統領はオバマ政権下で開設された米大統領の公式Twitter「@POTUS」を引き継ぎ、現在のフォロワー数はすでに1400万人を超えている。

POTUS はPresident of the United Statesの頭文字であり、文字通りアメリカ大統領である。

(翻訳編集・島津彰浩)

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