フランス在住の中国人ベテランジャーナリスト・呉葆璋氏は、日本の報道機関に向けて中国報道の観察の視点をアドバイス。新聞を広げる日本人男性(Yuya Shino/Getty Images)
インタビュー

「見抜けなければプロパガンダの餌食」日本マスコミへ助言 中国人ジャーナリスト

この記事は、中国政府報道機関「新華社」で28年間勤務し、フランス国際放送局(RFI)中国語放送部の責任者を務めた、記者歴40年のジャーナリスト・呉葆璋氏へのインタビューをまとめたもの。中国国内と海外で、ジャーナリストとして長年、中国を観察してきた。

中国のあらゆる政治問題の核心に位置する法輪功問題が、海外のメディアに取り上げられる機会は非常に少ない。取り上げられても、マイナスの角度から報道されることが多い。これは、北京当局が海外メディアを相手に「アンチ法輪功」の宣伝を行っていることと関連している。

 例えばフランスでは、中国大使館の外交官がアンチ法輪功の宣伝資料を、フランス外務省の官員らのデスクまで届けている。北京当局はその強大な対外宣伝網を起動し、各国の外交部に対してアンチ法輪功の宣伝を行っている。フランスでは国際問題に関しては、外交部の顔を伺いながら報道するメディアが多い。

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