王岐山・前中央規律検査委員会書記が17日、全人代で国家副主席に選出された後、習近平国家主席と握手した。(AFP/Getty Images)

習近平政権2期目スタート 指導部新人事から読み取るもの

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江派の重要人物は中国最高指導部からほぼいなくなったが、司法部門トップの職には江派人員が起用された。

18日習当局は、新たな最高法院(最高裁)院長(長官)と最高検察院(最高検)検察長(検察総長)の人事を発表した。周強氏が最高裁長官に再任された。張軍・司法部部長は最高検の検察長に任命された。

周強氏は17年1月全国法院(裁判所)トップが集まった会議で、司法独立・憲政民主・三権分立など、共産主義からみれば「誤った思想」に徹底的に反対していくよう要求した。これは、明らかに習近平氏が提唱する「法による国家統治」との理念に相反する。

当時、中国国内法曹界は周強氏の発言を批判し、周氏に最高裁長官の辞任を求めた。

一方、張軍氏は長い間、江派の中核人物・周永康氏が掌握していた司法部門で勤め、最高裁副長官、司法部副部長、中規委副書記などを歴任した。17年2月に司法部部長に昇格した。

昨年3月、中国法曹界などの知識層で、当局に対して張氏の罷免を求める運動が起きた。知識層は、張氏が司法部の部長就任以降、国内の人権弁護士への締め付けが一段と強化されたと非難した。

また、張軍氏の最高検トップへの就任に伴い、司法部部長のポストに新たに任命されたのは傅政華・元公安部副部長だ。

傅氏は周永康氏の側近とみられる。傅氏は13年に公安部副部長に就任し、15年1月以降、江沢民が気功グループ、法輪功を弾圧するために設立した機関、「中央610弁公室」主任を兼任した。

江派のメンバーとみられる周強氏、張軍氏と傅政華氏3人の司法機関トップの就任から、党内の江派と習近平派との間で、国家主席などの任期制限撤廃や国務院人事などをめぐって、なんらかの政治的な取引、または譲歩が行われたと推測される。でなければ、これまでの言動が習近平氏の「法治」「法による国家統治」との治国理念に背反する3人がなぜ司法部門のトップに就任できたのかを説明できない。

経済・外交などの課題に直面

2期目を正式に始動した習近平政権はこれから、江派をはじめとする党内の権益集団と駆け引きしながら、国内経済と外交問題を着手しなければならない。

米トランプ政権は、貿易の不均衡だとして、中国製品への追加関税の実施など、対中強硬措置を強化している。輸出産業が中国経済の主要けん引力であるため、米側が制裁措置を次々と打ち出すことで、すでに投資や個人消費が低迷している中国経済はさらに打撃を受ける。

また、米国や欧州などの西側諸国は近年、中国共産党のイデオロギーの浸透工作や世界支配の野心に警戒を強めている。このため、国際社会において中国当局への逆風が強まっている。

習近平当局は国内の社会不安要因を取り除く目的で、機構改革を行い、行政機関の組織統合や人員整理も計画している。

しかし、習近平当局は、中国共産党の独裁体制を維持する以上、国内外のあらゆる難題を解決できない現実を認識しなければならない。

(時事評論員・夏小強、翻訳編集・張哲)