焦点:F3戦闘機の優先順位低下、エンジン試験装置の取得見送り

[東京 22日 ロイター] – 政府は22日に決定した2018年度の防衛予算案に、将来戦闘機「F3」の国産開発に必要なエンジン試験装置の取得費を計上することを見送った。弾道ミサイル防衛の強化など、足元の脅威の対応に追われる中、先の長いF3計画の優先順位が下がっていることが背景にある。

防衛省は北海道千歳市に航空エンジンの試験施設を保有しており、2015年に本格配備が始まった国産哨戒機「P1」のエンジンもここで試験した。

しかし、最大出力で行う最終テストはこの試験場の性能では難しく、米空軍の施設を借りざるを得なかった。

防衛省はP1エンジンの今後の改良に備え、来年度に大型エンジンの試験装置の取得を計画。今年夏の概算要求で74億円を盛り込んだ。関係者によると、F3を国産開発する場合を想定し、推力15トン級の戦闘機用エンジンのテストに利用することも視野に入れていた。

しかし、22日に決まった来年度予算案に計上されたのは、装置取得に向けた数千万円の調査費のみ。実際の取得費は認められなかった。まだ開発するかも決めていないF3のエンジンを含め、新たな試験装置の稼動見通しを精査する必要があるとの結論に至ったという。

F3は2030年ごろから退役が始まる航空自衛隊の支援戦闘機「F2」の後継機。防衛省は来年夏までに、単独開発するのか、他国と共同開発するのか、外国から輸入するのかを決めることにしている。開発から調達、維持管理、廃棄までを含めた総事業費は4兆円とも言われる。

複数の関係者によると、防衛省は決定時期の先送りを検討している。将来的に日本が必要とする戦闘機のコンセプトを明確に描けていないうえ、新たな迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」や「F35」ステルス戦闘機など、目の前の脅威に対処するための武器調達に予算を割かざるをえないためだ。

関係者の1人は、エンジンの試験装置の取得予算が見送られたことについて「他にお金が必要な中、(F3の)優先順位が政府内で低くなっていることの表れだ」と指摘。「来年度に試験装置を取得できなくても影響はない」と、F3の開発決定が先延ばしされることを示唆する。

防衛装備庁の担当者はロイターに対し、F3開発の検討状況と試験装置の取得費計上の見送りは関係ないと回答。「開発判断してから試験装置の整備に着手しても間に合うと考えている」とした。

 

(久保信博、ティム・ケリー 編集:田巻一彦)

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