対中強硬派のナバロ氏、トランプ政権内で台頭 コーン氏辞任で

[ワシントン 7日 ロイター] – トランプ米政権内で保護主義に対する防波堤となっていたコーン国家経済会議(NEC)委員長の辞任発表を受け、対中国強硬派であるナバロ通商製造政策局長の存在感が高まっている。

ナバロ氏はコーン氏の後任に自身の名前は挙がっていないと語るが、コーン氏の下で脇に追いやられていたナバロ氏にとっては裁量が拡大するとみられ、トランプ大統領の鉄鋼・アルミニウム関税導入案を表立って支持してきただけにコーン氏辞任で大きな恩恵を受けそうだ。

ナバロ氏は北米自由貿易協定(NAFTA)や米韓自由貿易協定からの離脱を支持しているほか、世界貿易機関(WTO)は不公正な税制上の慣行を容認しているとみなしている。

しかし、同氏のメインターゲットは中国であり続けている。中国政府の違法な輸出補助金政策や為替操作などに対抗するためとして、中国からの輸入品に45%の関税を課すことを支持している。

また、中国と台湾は不可分とする米国政府の「一つの中国」政策に異議を唱えているほか、2016年の米大統領選でトランプ氏陣営のために現商務長官のウィルバー・ロス氏とともに執筆した経済論文の中で「中国の指導者は通商分野で不正を働くことで米国の弱みに付け込んでおり、トランプ氏の強さと意志の固さを認識し、重商主義的な行動を抑えることになるだろう」と指摘した。

ナバロ氏は68歳で、ハーバード大学の経済学博士号を持つ民主党員。「Death by China(原題)」など、中国の経済・軍事的な台頭の危険性に焦点を当てた著書で知られる。

公式統計によると、中国の2017年対米貿易黒字は3752億ドル。同年の米貿易赤字は全体で5660億ドルだった。

ホワイトハウスのサンダース報道官は、先週開かれた米政権と中国代表団との会合で対中貿易赤字問題を取り上げたと説明。ただ、これまでのところ中国側の反応については把握していないとした。この会合には習近平・中国国家主席の経済ブレーンである劉鶴氏が参加した。

*見出しを修正しました。

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