アングル:プーチン氏再選確実、有権者がロ大統領選に望むもの

Polina Ivanova

[モスクワ 12日 ロイター] – 18日に行われるロシア大統領選で、プーチン氏に票を投じようと考えているロシア人の大半は、信頼の根底にあるのは「安定」だと語る。

ただ、若いロシア人の中には、新たな指導者を求める時期だと信じている者も多い。

国が運営する世論調査会社の最新の調査によれば、首相時代を含め18年近くこの国の実権を握ってきた65歳のプーチン大統領は、69%の支持を得て4選を果たす見通しだ。

今週末の投開票を控え、ロシア国内のあちこちで有権者の話を聞いたロイター記者とカメラマンは、予想されているプーチン大統領の揺るぎない勝利と矛盾するものは何も目にしなかった。

2014年にロシアがウクライナから併合したクリミアの住人は、今回初めてロシア大統領選に投票する。ここに住むエンジニアのアンドレイ・ルキーニフさんは、困難な時に安定を維持できる候補者はプーチン氏だけだと話す。

「ことわざにある通り、川を渡る途中で馬を変えることはしない。他の候補と違い、私が選んだ候補者は必要な安定を提供してくれる」と、ルキーニフさんは言う。

モスクワっ子の学生ユリア・ドュージェワさんは、プーチン長期政権下での経済発展を評価しているという。

「若い世代を代表して、われわれ若いロシア人には全ての扉が開かれていると言える。誰もがチャンスをつかみ、どの地方や町にいても自分を最大限実現することができる」と、ドュージェワさんは話す。

だが、ロシアは変化すべきだと考える人もいる。

モスクワの会計士ナタリア・デメンチエワさんは、自由の拡大を訴える元TVキャスターのクセニア・サプチャーク候補に投票するという。彼女はプーチン大統領に挑戦する候補者8人のうちの1人だ。

「(サプチャーク候補は)真実をオープンに語る。嘘はつかない。現政府の下ではタブーになっている問題も提起する」と、デメンチエワさんはいう。

「この国を支配する次の世代は、1982年から1987年生まれだ。この世代は人数も多く、ソ連時代のことを覚えていない。だから、それほど恐れていない」

政府系のロシア世論調査センターの9日付調査によると、サプチャーク候補の支持率は2%程度になる見通しだ。

これは、投票に行かないと答えた3%を下回る。この中には、立候補資格がないと判断されたことを受けて、大統領選のボイコットを呼びかけている野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の支持者らも含まれる。

共産党から立候補している裕福な農場経営幹部パベル・グルジニン氏は、7%の支持を得て、これらを上回る見通しだ。

サンクトペテルブルグの機械工アレクセイ・グルクさんは、共産党候補に1票を投じることで、国内状況が変わらなければならないというメッセージを送れると語った。ただ、外交面での変化は望んでいないという。

「制裁なんかクソくらえだ」と、グルクさんは言う。「外国からの輸入品が入ってこなくなったら、どうだというんだ。それで譲歩しなければいけないとでも言うのか。関係ない」

世論調査によると、国家主義政治家ウラジーミル・ジリノフスキー氏の支持率は5%程度、リベラル経済学者グリゴリー・ヤブリンスキー氏は1%程度の見通しだ。

(翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)

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