子供のキリスト像 80年後に元の場所へ

時が満ちれば、すべては元の場所へ返る。これが、自然の摂理なのかもしれません。およそ80年ぶりに、子供のキリスト像ベイビー・ジーザス)がアメリカのある教会に戻ってきました。

Illustration – Wikimedia | Theornamentalist

今年3月、アメリカ・ニュージャージー州にあるOur Lady of Grace 教会に怪しげな段ボール箱が送られてきました。粗雑な荷造りで、発送人の住所もない。牧師のアレックス・サントーラさん(Alex Santora)は、危険物である可能性を疑い、警察に通報しました。かけつけた警察が装置で検査し、爆発物ではないことを確認。サントーラさんたちは、慎重に箱の中身を調べました。

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すると、そこに入っていたのは、およそ80年前にこの教会からこつぜんと姿を消したベイビー・ジーザス。ほんの少しの欠損があるだけで、状態はいたって良好でした。

荷物には、一緒に手紙が同封されていました。

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「私の母によると、このベイビー・ジーザスは1930年代、母が12歳の時に、Our Lady of Grace教会から盗まれたものだそうです」

手紙によると、どういうわけかベイビー・ジーザスはこの母親の父が所有しており、そのまま次世代へと受け継がれ、最後にこの送り主に託されたようでした。

「このような経緯を聞いていたので、正当な持ち主の元へ返還すべきだと思いました」

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手紙の結びには名前もサインもなかったため、誰が書いたのか分かりません。サントーラ牧師が調査した結果、荷物はフロリダ州から発送されたことが分かりましたが、送り主は特定できませんでした。

奇しくも、ベイビー・ジーザスが教会に届いたのは、イースター(復活祭)の直前。教会に通う人々も、「迷子の子供が戻ってきたようだ。素晴らしいね」「いいことですね。善い人間がいるものです」とうれしそう。

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サントーラ牧師は、「これだけの年月がたっているのに、正しいことを行い、返還できるなんて感心します」

「人間は常に、正しいことをやろうと努力するものであることを、教えてくれました」と話しています。

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(翻訳編集・郭丹丹)