警棒タイプのスタンガンで打撃される、強制収容所の収容者。体験者が描いた(文中のネット中毒治療書とは無関係、参考写真@大紀元)
中国ネット中毒治療所

毎日ネット6時間以上は「精神病」?スタンガン利用で刑務所さながら荒治療

数億人ものインターネット利用者がいる中国で、最近新たな精神病ネット中毒」が定義された。全国2千万人以上の青少年がネット中毒者とされる中国では近年、ネット中毒は大きな社会問題とされ、ネット中毒の青少年に対する治療が話題になっている。

2008年、中国の医療機関は「ネット中毒臨床診断基準」を設け、毎日平均6時間以上ネットに没頭する人は、ネット中毒と診断され、精神病患者の範疇に入ると定めた。中国共産党政権は建党以来、党紀を否定する有神論、民主主義や自由主義、異見者、その他の信仰を持つ人物に対して、医学的根拠もなく「精神病」と位置づけて、強制教養所に入所させている。

参考:「彼らは人間ではなく、獣だ」 中国誌、労働教養所の闇を暴く 制度をめぐる攻防戦

2009年、国営の中央テレビは「ネット魔を撃退」というシリーズのドキュメンタリー番組を放送。スタンガンを使った「電撃療法でネット中毒治療に成功した」とされる山東省のある治療センターを紹介した。

中央テレビの宣伝を受け、多くの親たちがネット中毒と診断された自分の子どもを治療センターに送り、治療を受けさせた。しかし、患者の証言によると、入所者は医療関係者により、高圧電流の走る警棒タイプのスタンガンで撃たれる(以後、電撃と呼ぶ)といった、非人道的な荒治療を受けていたことが、大紀元の取材で分かった。

電撃体験は死よりも恐ろしく、治療センターは強制収容所さながら。そのうえ入所費も高く、脱走した場合、倍以上の罰金が上積みされ、家族は高額な治療費を払わざるを得なくなる。治療を受けた子どもの中には、トラウマが残り、かえってうつ病になったケースもあるという。

精神病症状のない子どもたちを「精神病患者」と診断し、電撃を加えるという残酷な療法に疑問視する声がネットユーザの間で多くみられる。

国務院から奨励された医師による荒治療

中央テレビの同番組によると、この治療所は、山東省臨沂市第四人民病院の精神科の中にあるもので、責任者は、同精神科の楊永信主医師。楊氏は国務院から特殊奨励金を与えられた専門家で、治療センターは「2006年以来3000人以上の青少年患者の治療に成功した」と主張している。12回の同番組放送後、多くの保護者が放送内容を信じ、自分の子どもを治療所に送り込んだ。

19歳の戴さんは取材の中で、治療を受けた経験を話した。「私はネットが大好きだった。お母さんがCCTVを見て、私がネット中毒者だと思いこみ、この治療所に送った」。戴さんによれば、治療とは実はスタンガンで打撃することだった。「高い電圧を使っているから、すぐ意識がなくなった」という。

「医師は最初、電圧を低めにして電極を頭に当て電撃する。そうすれば意識がなくなることはなく、頭ははっきりして一層苦痛になった。40日の治療期間の間、私は6、7回も電撃を受けた」と戴さんは続けた。

楊永信医師に電話取材を試みたが、回答は得られなかった。同治療所のスタッフによると、現在治療センターでは150人が治療を受けており、中学校一年生から30歳までが入所しているという。

他の経験者の話によると、治療所に入ったら、親は4~5カ月以内の強制入所、入院期間中は規定に従うと書かれた契約書にサインする。契約者のもう一方は、病院ではなく、入院患者の親たちの名義で作られた「家庭委員会」である。

 

家族が治療所に子どもを連れて行き、子どもが入所を拒んだ場合、すぐさま20分の電撃治療を受けさせられる。電撃の苦痛に耐えられなければ、なおさらに「治療所に入らなければならない」と半強制的に入所を承諾させられる。同時に、医師は「子どもの脳に問題があり、治療しないと良くならない」と親に説明する。

取材を受けた治療体験者の話によると、治療所は強制収容所といえる。何人かに強制的に抑えられ、全身を何度も連続で電撃され、治療室で倒れる人は多い。また、「患者」は薬を強制的に飲ませられ、毎日ネット中毒の行為を懺悔する反省文を書かされる。

苦痛に耐えられない患者が、医療所から逃げようとしたら、罰金が科せられる。また、親たちが「不適切な」発言をしても、罰金が科せられる。ある18歳の体験者によると、毎月6千元(約10万円)の入院費と罰金を含めて、退院する際、約10万元(約150万円)を支払わされ、治療所を出た子どもは、自分の尊厳を失い、親への信頼を喪失し、心に深い傷を残した人がたくさんいるという。治療所を出ても、また強制的に入院させられる可能性があるため、彼らは治療所のことを詳しく話したがらないという。

(記者・方暁 翻訳/編集・趙莫迦)

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