焦点:日本の安全保障、米朝会談で一段と不透明に 

[東京 13日 ロイター] – 東アジアの安定化に扉を開くと期待された米朝の歴史的な首脳会談は、逆に日本の安全保障環境を不透明にした。トランプ米大統領は北朝鮮の非核化に向けた道筋を示さず、日本が懸念する中・短距離ミサイルの扱いにも触れずじまい。一方で、米韓合同軍事演習の中止と、将来的な在韓米軍の撤退に言及した。日本政府の中からも、米国に頼る今の政策を疑問視する声が出ている。

<見えてきた「米国最優先」>

米朝会談に臨む米国に対し、日本は首脳会談、外相会談、防衛相会談などあらゆる機会を通じ、日本を射程に収めるミサイルの廃棄を議題に取り上げるよう何度も念を押してきた。さらに抑止力を低下させる在韓米軍の撤退や縮小を議題にしないよう確約を求めてきた。

▶ 続きを読む
関連記事
香港の元メディア界の大物、黎智英氏が15日、香港の裁判所で国家安全維持法違反により有罪と認定された。判決後、親族や英国、カナダの政府が相次いで批判した
中国人富豪による米国での代理出産が急増する中、100人以上の子をもうけたとされる実業家・徐波に対し、米ロサンゼルスの家庭裁判所は「通常の養育範囲を超える」として親権認定を拒否した。制度の隙を突く動きに米当局の注目が集まっている。
米パデュー大学は敵対国とされる国々、中共やイランなどからの学生を受け入れない方針を決定した。専門家は、中共が留学生を情報活動に利用してきた実態を指摘し、その影響で多くの中国人学生が貴重な海外留学や研究の機会を失うことになったと指摘。
欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は16日、2035年からのガソリン車・ディーゼル車など内燃機関を搭載した新車の販売を原則禁止する計画を事実上緩和する改正案を公表した。
米IT大手メタ社が、巨額の広告収入を背景に、中国から配信される詐欺広告への対応を長期間にわたり目をつぶってきた実態が、ロイター通信が入手した内部資料で明らかになった。