米、トルコ法相と内相に制裁 米牧師拘束で

[ワシントン 1日 ロイター] – 米財務省は1日、米国人牧師アンドリュー・ブランソン氏の拘束に関与したとして、トルコのギュル法相とソイル内相に制裁を科した。米政府は牧師の解放を求めており、トルコ政府への圧力を強めた。

ブランソン氏は2016年のクーデター未遂事件を起こした反政府勢力を支援した罪に問われており、前週、自宅軟禁に移されるまで21カ月にわたり収監されていた。米政府は両閣僚がブランソン氏の逮捕・拘束に関与したと批判してきた。

トルコ外務省は米国の制裁発動を「敵対的な態度」と非難し、報復する意向を表明した。両国関係はブランソン氏を巡り悪化している。

ホワイトハウスのサンダース報道官は記者団に「ブランソン牧師が不正行為をした証拠は何もない。トルコ政府による不当な拘束の犠牲者だ」と強調した。

ブランソン氏は、クーデター未遂事件を起こした反政府勢力や反政府武装組織のクルド労働者党(PKK)を支援した罪で起訴されており、トルコの裁判所は7月31日に行われたテロリズムの罪に関する審理で、同氏を自宅軟禁から解放するよう求めた申し立てを退けた。

米政府による制裁発動への懸念から、1日の取引でトルコリラは対ドルで過去最安値を更新した。

サンダース報道官によると、トランプ大統領はこの問題をエルドアン大統領と直接協議してきた。

米政府関係者によると、トランプ大統領、ペンス副大統領およびポンペオ国務長官はブランソン氏の解放に向けた合意を先月取り付けたと認識していたが、実行されなかったことから、トルコ政府への圧力を強めたという。

米国務省のナウアート報道官は、ポンペオ長官はトルコのチャブシオール外相と電話会談しており、週末にシンガポールで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議の合間にも会談する予定だと述べた。

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