ヴァンス米副大統領のスイス訪問を延期

2026/06/19
更新: 2026/06/19

米ホワイトハウスは18日(木)、イランとの対話計画が最終決定していないため、JD・ヴァンス副大統領が19日(金)にスイスへ渡航しないことを明らかにした。

18日の記者会見でヴァンス氏は、イランとの長期協定に関する実務者協議(技術協議)が今週末に始まる見通しであるものの、イラン側がいつ出席できるかによって時期が変更される可能性があると述べていた。

その後、ホワイトハウスの報道官は声明で、会談が延期されたと発表した。

「副大統領が記者会見で述べたように、来たる実務者協議の計画は最終決定しておらず、米代表団は最初の機会にいつでも出発できるよう準備を整えてきた。しかし、こうした交渉における実務調整が、一筋縄ではいかないことや、予測不可能であることは、今に始まったことではない」

「現時点で、副大統領は今夜出発しない。次のステップに関する具体的な最新情報が入り次第、お知らせする」と報道官は述べた。

副大統領は金曜日にスイスへ渡航し、米国とイランの間の覚書(MoU)の署名を記念する式典に出席する予定であった。しかし、この合意はすでにトランプ米大統領とイランのペゼシュキアン大統領によって署名されている。トランプ氏は水曜日の夜、ベルサイユでの夕食会で署名を行った。

「我々の計画はスイスに行くことだが、正確にいつになるかは分からない」とヴァンス氏はホワイトハウスの記者会見で語った。

同氏は、今回の協議がイランの高濃縮ウランの廃棄方法など、核心に迫る技術的な問題に取り組むものであるとした。「我々は、現地に人員を配置し、実務者協議、つまり核を巡る協議を実際に推進していく」と述べた。

この覚書は60日間の交渉期間を設けており、その間に両国は紛争を終結させ、イランの核計画に関連する問題を解決するための最終合意に向けて取り組む。

「取引は昨日始まった。今日から60日間のカウントダウンを開始する」とヴァンス氏は述べた。

60日間の交渉期間中、民間船舶はホルムズ海峡を自由に航行することが許可され、ペルシャ湾とオマーン海の間で途切れのない通航が保証される。

ヴァンス氏は、国際水路は「通行料がかからないようにすべきだ」とし、最終交渉において、その60日間の期限が切れた後の条件を決定していくと述べた。また、米軍によるイランの海上封鎖は解除されたと述べた。

暫定合意に基づき、イランは核兵器への転用を防ぐため、保有する高濃縮ウランの濃縮度を下げること(ダウンブレンド)にも同意した。双方がコミットメントを維持し、交渉が成功すれば、米国はイランへの制裁緩和を含む最終合意へと進む。

ヴァンス氏は、イラン政権がその行動を改めれば、中東は一世代にわたって一変するだろうと述べた。「彼らが行動作法を改めないなら、この取引の恩恵は受けられない」と同氏は語った。

覚書により、イランは原油、石油化学製品、および関連商品の販売再開が認められ、大きな経済的救済がもたらされる。また、これらの販売を促進するため、銀行、運輸、保険などの不可欠な分野をカバーする制裁適用免除(ウェーバー)も含まれている。

ヴァンス氏は、イランが事前に見返りを得ているとする批判を退けた。

「合意が実際に成立する前にイランがこれらすべての恩恵を受けるという考えや、行動を改める前に恩恵を受けるという考えは、根本的には紛争を無期限に継続させたい人々によって出された主張だ。それがアメリカ国民にとっても、この地域にとっても良くないことであるという事実にもかかわらずだ」と同氏は述べた。

ヴァンス氏は、米国の対イラン石油制裁の目的は「イランの原油1バレルあたりの価格を押し下げることだった」と述べた。「それらの制裁は効果を失っていた。効果的なのは封鎖だ」

合意の下で、イランは核兵器の取得や開発を試みないというコミットメントを再確認する。高濃縮ウランのダウンブレンドは、国連の核監視機関である国際原子力機関(IAEA)の監視下で実施される。

ヴァンス氏は、イランの核兵器計画は破壊されたと述べた。「イラン人が明日核兵器を製造しようと決めたとしても、彼らには単純にその能力がない」

最終合意に達した場合、米国はイランに対するすべての一次および二次制裁を解除する。最終協定はまた、米国の新たな制裁の賦課を防ぎ、凍結されたイラン資産の解放につながる可能性もある。

ヴァンス氏は、今回の覚書と2015年のイラン核合意との間には重要な違いがあると述べた。

その一つは、湾岸諸国が2015年の合意を「嫌っていた」ことだとヴァンス氏は語った。「彼らは、その合意がイラン人に地域全域で悪質なアクターとなる権限を与えたと感じており、当然ながら、まさにその通りのことが起きた」

「湾岸諸国は大統領の和平合意について何と言っているか。彼らは、今回の合意が地域に驚くべき変革をもたらすものだと評価している。なぜなら、交渉がどちらの結果に終わろうとも、我々や中東地域全体が勝者になるからだ」

もう一つは、2015年の合意では一部のウラン濃縮が認められていたのに対し、今回の覚書では認められていない点である。

「オバマ時代の合意は、兵器級物質の蓄積を許していた」と同氏は述べた。「私たちの合意は、実際にその蓄積の破壊へとつながっている」

イランの最高指導者アヤトラ・モジタバ・ハメネイ師は木曜日、国営メディアが読み上げた声明の中で、米国との直接交渉を支持すると述べた。

同氏は「今後行われる対面での交渉は、決して敵の言いなりになることを意味しないのは言うまでもない」と述べた。

これは、覚書に対するハメネイ師の最初の反応であった。ハメネイ師は、戦争の初期に攻撃で負傷して以来、公の場に姿を現していない。

大紀元のワシントン特派員。 ワシントン政治を中心に、政治とスポーツ、スポーツと文化の交差点についても取材・報道を行っている。 過去には、Mediaiteのライターや、Jewish News Syndicateのワシントン特派員を務めた。 また、The Washington Examinerにも寄稿したことある。 ジョージ・ワシントン大学卒業。