米、ロシア銀を制裁対象に 北朝鮮核開発に関与 国連にも指定要請

[ワシントン/国連 3日 ロイター] – 米財務省は3日、北朝鮮の核開発に関与していたとして、ロシアのアグロソユーズ商業銀行を制裁対象に指定した。すでに制裁の対象となっている北朝鮮の外国為替銀行、朝鮮貿易銀行(FTB)のモスクワ代表者と大規模な取引を行っていたと説明した。

ムニューシン財務長官は声明で「米国は国連および自国の制裁措置の履行を継続するとともに、北朝鮮への違法な資金の流れを遮断する」と述べた。

この他、FTBの関連企業で中国に本拠を置く丹東中盛工貿有限公司や、同じく北朝鮮に本拠を置く1社なども制裁対象に指定した。

財務省はFTBのモスクワ代表であるHan Jang Su氏と、モスクワ副代表のRi Jong Won氏について、ロシアが国連決議に基づき両氏を国外追放処分とする必要があるとの立場を示した。

米政府はまた、今回発表した制裁対象を国連の制裁対象に加えるよう安全保障理事会に要請した。朝鮮貿易銀行について、安保理はすでに昨年8月に制裁対象に指定している。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは2日、ロシアが国連安全保障理事会の制裁決議に違反して新たに多数の北朝鮮労働者を受け入れ、労働許可を与えていると報道。

これについて米国のヘイリー国連大使はこの日発表した声明で、ロシアの国連制裁違反を批判。「ロシアが北朝鮮労働者を巡る国連安保理決議に違反していることを示す信頼できる情報は大きな問題だ」とし、安保理で制裁措置を支持しながら、行動で違反することがあってはならないとの考えを示した。

ロシアのインタファクス通信によると、ロシアのアレクサンドル・マツェゴラ駐北朝鮮大使は、ロシアは北朝鮮労働者を新たに受け入れていないと説明。2017年11月29日以前に契約書に署名した労働者に対し3500件の新たな就労許可が発行されたとした上で、ロシア国内で現在、就労が許可されている労働者は国連制裁が発動される前に就労の契約書に署名しているため、19年11月29日までロシア国内で働くことができると述べた。

米国務省報道官は、北朝鮮の労働者はロシアから母国に年間1億5000万─3億ドルの資金を送金していると推定されるとし、「ロシア政府は国連制裁を完全に順守する必要がある」と述べた。

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