トランプ米大統領、カナダ首相との個別会談を拒否 通商交渉に不満

[国連 26日 ロイター] – トランプ米大統領は、今週行われた国連総会中、カナダのトルドー首相から受けた個別会談の要請を拒否していたことを明らかにした。北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉でカナダとの二国間協議が不調となっており、カナダ側の交渉団に不満を持っていることが理由と説明した。

一方、トルドー首相の広報官であるシャンタル・ギャニオン氏は「会談は要請していない。これ以上のコメントは差し控える」と述べ、両首脳の関係悪化がうかがえた。

トランプ大統領は、トルドー首相との会談拒否について「カナダの関税は高すぎるし、トルドー首相は変更を望んでいないようだ。それで、首相には『それはもういい。率直に言って、われわれはカナダからの自動車の輸入に関税を課すことを考えている』と話した」と説明した。

トルドー首相は26日朝、NAFTA再交渉で早期合意を迫る米国からの圧力をかわし、米・加・メキシコ3カ国間による協定が成立しない可能性があると示唆した。[nL4N1WC4PE]

米国とカナダとの間には乳製品分野や紛争解決方法などで意見に大きな隔たりが残っている。

トランプ大統領は、カナダのフリーランド外相をあからさまに指して「われわれはカナダとの交渉と、同国の交渉スタイルに強い不満を持っている。カナダの代表団のことが好きではない」と述べた。

大統領は、6月にカナダで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)で通商政策を巡り他の6カ国と意見が対立し、サミットを途中で切り上げて米朝首脳会談が行われるシンガポールへ移動。トルドー首相は不誠実だと非難した。これ以降、米国とカナダとの関係は悪化している。

フリーランド外相と協議しているライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は25日、カナダは3カ国協定としてのNAFTA維持に必要な譲歩を行っていないとし、米国がメキシコのみとの2国間協定に向けて動き出すまで多くの時間は残されていないとの見解を示した。[nL4N1WB4SZ]

一方トルドー首相は、記者団に対し「カナダにとって適切な合意を得るまで、必要な限り時間をかける」と強調した。

*内容を追加しました。

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