仏政府、燃料増税19年見送りを決定 デモ収拾なお不透明

[パリ 5日 ロイター] – フランスのマクロン政権は5日、来年1月に予定していた燃料税の引き上げを6カ月延期するとした前日の発表に続き、さらに来年いっぱい増税を見送ることを決めた。家計負担増に抗議する国内各地のデモが収まらないことから、一段の譲歩を余儀なくされた。

フィリップ首相は議会下院に対し、「政府は対話する用意があり、それを示している。この増税は2019年予算案から削除された」と表明した。

燃料税引き上げに対する抗議に端を発した「黄色いベスト」運動はフランス全土に広がっており、マクロン政権発足以来、最大の危機となっている。

政府はまた、これより先、富裕税(ISF)に関する政府の方針を変更する可能性があることも明らかにした。マクロン大統領は昨年、ISFの課税対象を不動産取引や不動産資産に限定する形で狭めており、「金持ちの味方」との批判を招いていた。

グリボー政府報道官はRTLラジオで、すべての税関連政策は定期的に見直す必要があるとした上で、「公的資金によって賄われるわれわれの政策が結果的に機能せず、うまくいかない場合は政策を修正する。われわれは愚かではない」と述べ、ISFは2019年秋に見直しを行う可能性があるとした。

グリボー氏はその後の定例会見で、マクロン氏が全ての政党や労働組合、企業経営者らに対し、平静を呼び掛けるよう訴えたと説明した。

来週はエネルギーおよび港湾部門で労組のストライキが行われる見通しで、デモが波及するリスクもある。政府が譲歩した後もデモが収拾する兆しが見えないため、政府は前週末のパリでの激しい抗議活動に続き、8日も暴力行為が繰り広げられる事態に備えている。

フィリップ首相は前日、燃料税引き上げを見送る6カ月の間に家計の購買力底上げに向けた施策を検討すると説明。支持率低迷にあえぐマクロン氏が2017年半ばの就任後初めて主要政策を転換することになった。

燃料税を巡る政策の転換によって、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に基づく二酸化炭素(CO2)排出量削減目標の達成が難しくなる可能性がある。

トランプ米大統領は4日遅く、ツイッターに「私の友人のマクロン氏とパリのデモ参加者が、私が2年前に達した結論に賛同してくれたことは喜ばしい」と投稿、パリ協定は「致命的な欠陥がある」と批判した。

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