英メディアは、2021年から2024年にかけて、イギリスの複数の高級官僚や歴代首相の側近の携帯電話が、中国共産党(中共)と関係のあるハッカーによるサイバー攻撃を受けていたと報じた。政権中枢を狙ったとされる一連の侵入は、イギリス政界に衝撃を与え、国家安全保障上の懸念が高まっている。
英紙デイリー・テレグラフによると、ハッカー攻撃を受けたのは、ジョンソン元首相、トラス元首相、スナク前首相の主要な側近らで、携帯電話が不正に侵入されたという。
中国政策を巡る超党派議員連盟の創設者で事務局長のルーク・デ・プルフォード氏は、「イギリスは近年、相次いでサイバー攻撃を受けており、今回の事態は驚くことではない」と指摘した。
現時点で、首相本人の携帯電話が標的となったかどうかは明らかになっていない。ただ、「ソルト・タイフーン」のサーバー攻撃は現在も続いているとされ、スターマー首相の端末が攻撃対象となる可能性も懸念されている。
こうした報道が出る中、スターマー氏は1月28日に北京に到着し、4日間の日程で訪中する。貿易や投資問題を協議する予定で、イギリス首相の訪中は8年ぶりとなる。
これに対し、スターマー氏率いる労働党政権が中共の敵対的活動に対して慎重さを欠き、国家安全を損なう恐れがあるとの声が出ている。
デ・プルフォード氏は「スターマー首相は中国共産党に対し批判を控え、警戒を緩めたまま訪中している。結果的にイギリスに不利益をもたらしかねない」と警告した。
一方、スターマー首相は週明けに行われた米ブルームバーグ通信の単独インタビューで、習近平との会談がトランプ米大統領を刺激するかとの質問に対し、「イギリスは米中の間で二者択一を迫られる必要はない」と述べた。
イギリス国内情報機関MI5(保安局)は昨年11月、中共による諜報活動がイギリスにとって深刻な脅威となっていると議会に警告している。
こうした情報漏えいの一部は少なくとも2021年まで遡るとみられるが、英情報機関が把握し警告を出したのは2024年になってからだった。当時、アメリカは中共系ハッカー集団が世界各国の通信企業のシステムにアクセスしていたと公表している。
これに対し、中共外務省は関与を否定している。
報道によると、ハッカーは通話の盗聴や録音に加え、通信の履歴や位置情報といったメタデータにもアクセス可能で、当局者の連絡先や所在を把握できた可能性があるという。
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