米大統領、壁建設巡り民主党幹部と激しい応酬 21日の期限までの合意に疑問

[ワシントン 11日 ロイター] – トランプ米大統領は、メキシコとの国境の壁建設費用を巡り、民主党と11日に合意に至る可能性は低いとの見方を示した。ホワイトハウスで民主党幹部と会談したがテレビカメラの前で激しい言い合いとなり、一部の連邦予算の期限が切れる21日までに合意できるか疑問が高まった。

トランプ氏は民主党のぺロシ下院院内総務およびシューマー上院院内総務と会談。テレビカメラの前で通常は激しい言い合いは控えられるが、トランプ氏は記者団が部屋を出る前に、連邦政府機関の閉鎖を見たくないが国境警備は重要だとし、「望むものが得られなければ、連邦政府機関を閉鎖する。国民は犯罪者や薬物依存者が国内に大量に入ってくることを望んでいないため、国境警備のために政府機関を閉鎖することを誇りに思う」と述べた。

一方、ペロシ氏とシューマー氏は、民主党と米国民は政府機関の閉鎖を望んでおらず、合意に至ることを望んでいるとした。シューマー氏は、壁を建設せずに国境を警備することは可能だと述べた。

トランプ氏は壁建設の費用として50億ドルの予算を要請している一方で、シューマー氏とペロシ氏は13億ドル程度を提案する見通し。両氏の提案は超党派の上院委員会が承認した16億ドルを下回る。

共和党は来月まで上下両院の過半数を握っているが、その後は予算案などの承認には民主党の協力が必要になる。

トランプ氏がシューマー氏とペロシ氏と会談するのは、共和党が下院の過半数を失った11月6日の中間選挙以降で初めて。ペロシ氏が国民は「トランプ閉鎖」は望んでいないと発言したことがトランプ氏の神経に触ったと見られている。

双方の応酬が続く中、ペンス副大統領は硬い表情のまま、トランプ氏の横に座っていた。

ホワイトハウスのサンダース報道官はその後に発表した声明で「建設的な協議」が行われたとの認識を示し、トランプ大統領は国境警備に奮闘している自身の姿をメディアがとらえたことを「感謝している」とした。

国会議事堂に戻ったシューマー氏はトランプ氏が怒りを露にしたことを批判し、「大統領は政府閉鎖を望んでいる。そのことを実際に示した」と述べた。

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