台湾野党が中国との和平合意示唆、蔡総統は民主主義損なうと反論

[台北 20日 ロイター] – 台湾の野党・国民党の呉敦義主席が2020年の総統選に勝利する場合に中国との和平合意に署名する可能性があると述べたことを受け、蔡英文総統は20日、台湾は主権と民主主義を損なういかなる合意も受け入れないと表明した。

中国は台湾を領土の一部とみなし、必要な場合には武力で制圧する方針を示している。

中国側は長年、和平合意構想を持ち出していなかったが、中国寄りの国民党の呉主席は先週、国民党が来年の総統選に勝利する場合には中国との和平合意に署名する可能性があると述べた。

蔡総統は台北で記者団に対し、「台湾社会は台湾の主権と民主主義を損なわせるいかなる合意も受け入れない」と発言。中国が台湾を支配下に置くための武力行使を排除しない限り、真の平和は訪れないと述べた。

台湾の治安当局筋によると、中国政府は総統選を前に、国民党に新たな提案を行う見通し。これにより、蔡政権が孤立し、選挙結果が影響を受ける可能性があるという。

昨年11月の統一地方選では、与党・民主進歩党(民進党)が国民党に大敗した。

中国との関係で現状維持を目指す蔡総統は、中国が台湾との隔たりを解消するには平和的な手段を用いるべきであり、台湾の民主主義的な価値観を尊重すべきと訴えている。

関連記事
中国共産党はWHOを代理人とし、米国に対する「ハサミ戦略」を始めるだろう。新たに進められているパンデミック条約がその引き金となる。
韓国最大の太陽光発電メーカーであるハンファ・ソリューションズ傘下のQcellsは中国江蘇省啓東市にある工場を6月30日に永久閉鎖する。
中国共産党の国家安全部が主導する研究機関は、AI技術とビッグデータを利用してカナダの華人議員の個人情報を密かに収集している。
米イエレン財務長官の最近の訪中は、新たな貿易戦争の予兆であるとする見方がある。イエレン氏は中国当局に対し、ダン […]
全世界の軍事費支出が9年連続で増加し、過去最高値を再び更新したことが明らかになった。スウェーデンに本部を置くシンクタンク「ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)」が22日(現地時間)に公開した報告書によると、昨年の全世界の軍事費支出規模は約2兆4400億ドル(約772兆円)に達すると集計された。