米民主党、新北米貿易協定の問題を指摘 USTR代表との会合受け

[ワシントン 13日 ロイター] – 北米自由貿易協定(NAFTA)を改定した「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の批准を目指すライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は13日、下院民主党の議員らと非公開の会合を開いた。

民主党の参加者の一部は会合後、労働基準やバイオ医薬品に関する規定などの問題について、懸念は解消されなかったと述べた。

USTRの報道官は会合についてコメントを差し控えた。

USMCAが議会を通過するには、下院で多数派を占める民主党の支持が重要とみられている。同党がこの日冷ややかな反応を示したことで、民主党の説得を目指すトランプ政権には多くの課題が残った。

同協定には労働者の団結権を保証するための新たな労働基準が盛り込まれたが、加盟国による履行を徹底するには、メキシコの議会が新たな労働法を可決する必要がある。

民主党のプラミラ・ジャヤパル下院議員は会合後、「多くの人々が十分に良い内容だと考えていないという話を耳にする」と指摘。メキシコ国内の賃金が低水準にとどまることを許容したというNAFTAの最も大きな欠陥が、新たな協定でも解消されないことを懸念していると述べた。

メキシコ政府は4月末までに労働法が議会を通過すると見込んでおり、これによって労働組合に所属する労働者の権利保護が強化され、USMCAの合意内容を履行できるとの立場を示している。

民主党のジュディー・チュー下院議員は、メキシコは「法律が成立したと主張するかもしれないが、法律自体が非常に弱い内容となるかもしれない」と述べた。

同議員によると、ライトハイザー氏は、メキシコの労働法は協定の条件を満たす見込みで、協定の履行に関する問題は批准後の追加合意によって解決可能だと説明した。

このほか、民主党議員からは、バイオ医薬品の10年間のデータ保護規定が薬価上昇につながる可能性についても懸念する声が上がった。

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