米FAA、航空機の認証審査を内部で行えば18億ドルかかると指摘

[ワシントン 27日 ロイター] – 米連邦航空局(FAA)のエルウェル局長代行は27日に開かれた上院の委員会での公聴会で、航空機の安全性認証審査を外部委託せずに全て内部で行うことになった場合、18億ドルの費用が発生し、新たに1万人の職員が必要になるとの見方を示した。

米ボーイング<BA.N>の737MAX機が起こした2度の墜落事故を受け、公聴会では新型機の認証審査について厳しい質問が相次いだ。特に、2017年に737MAX機を認証する前に、同機に搭載された新型の自動失速防止装置に関して飛行マニュアルでの開示や新たな飛行訓練を義務付けなかった理由について追及を受けた。

FAAは航空機の認証手続きの大半をボーイングなどのメーカーに委託している。同じ公聴会で米運輸省のスコベル監察総監は、FAAは今年7月までに認証審査の委託先の監督を大幅改善することに合意したと述べた。

上院の科学・宇宙小委員会のテッド・クルーズ委員長は公聴会後にロイターに、エルウェル局長代行が示した認証審査に要する費用と人員の推定は「多少の論点のすり替え」で、FAAによるボーイングへの業務委託に関する深刻な懸念から注意をそらしていると批判。

クルーズ氏は「FAAとボーイングの親密な関係についてはかねてより懸念がある」と指摘。「これが(事故)の原因かどうかは分からないが、一見したところ、パイロットの飛行訓練資料が新しい装置の詳細に触れていなかったのは不適切に思える」と述べた。

ボーイングは27日、737MAX機に搭載されているソフトウエアについて、誤ったデータによって失速防止装置が作動しないようにプログラムを修正したと発表した。

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