トルコ、米国がF35供給中止ならロシア製戦闘機購入示唆

[イスタンブール 10日 ロイター] – トルコと米国の間で武器購入を巡る駆け引きが続いている。トルコ政府は10日、米国が地対空ミサイルシステム「パトリオット」と最新鋭ステルス戦闘機F35を売却できないなら、ロシア製の戦闘機購入やミサイルの追加調達に動く可能性があると警告した。

エルドアン大統領は既にロシア製地対空ミサイルシステム「S400」を購入する計画を持ち、米政府は北大西洋条約機構(NATO)の基準に合わず、F35のセキュリティーに問題が生じる恐れがあるとして計画の中止を要請。その代わりにパトリオットを買うよう提案し、S400を購入すればF35の供給を中止するとともに、別途制裁措置を講じると硬軟織り交ぜた働き掛けをしている。

ただトルコ側に譲歩の気配は見えず、エルドアン氏はS400の納入が7月から前倒しされてもおかしくないと述べた、とサバハ紙が10日報じた。

エルドアン氏はロシアから帰国する機内で記者団に「(S400の購入を断念するよう求められているが)これは決定事項だと答えている。S400の納入は7月になる。おそらく前倒しされる可能性もある」と述べた。

またチャブシオール外相は地元テレビで、S400購入はもう決まった話だと繰り返した上で「米国が売りたいというなら、パトリオットは買う。しかし米国が売りたくないのであれば、より多くのS400か、別のシステムを購入するかもしれない」と発言。さらにF35の供給が受けられなければ、トルコとして必要な戦闘機を別に調達するまでで、ロシア製のSU34やSU57などが候補になるとの見方を示した。

米上院の外交委員会と軍事委員会の両トップは9日付の米紙の意見欄で、トルコがS400を購入する計画を推進した場合、厳しい制裁を科すことがあり得ると警告し、立法府としてさらなる措置を取る構えを示した。

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