米上院の超党派議員、原子力協力の議会審査義務付ける法案提出

[ワシントン 10日 ロイター] – 米上院の超党派議員グループは10日、米企業による他国への原子力技術支援や移転に関して政府が与える許可について、議会での審査を可能にするため、企業名などの詳細の公表を政府に義務付ける法案を提出した。

議員らはこれまで、トランプ政権が原子力技術の輸出許可権限を定めた「パート810」に基づいてサウジアラビアへの技術支援・移転に関して7件の許可を米企業に与えたが、情報を開示していないと批判してきた。議員らは、中東で核軍拡競争が起きるリスクを阻止するため、ウラン濃縮や核燃料の再処理を制限する強力な措置にサウジが最終的に合意することを求めている。

上下両院の複数の議員らはこれまで、トランプ政権にサウジへの技術移転許可について詳細の公表を求めたが、政権側は許可を受けた企業の名前でさえも公表すべきでないと突っぱねた。従来は、パート810に基づく許可についてはエネルギー省が公表してきた。

マルコ・ルビオ上院議員(共和党)は、政権側が議会に情報を開示しなければ「議会は、米国の民生原子力協力の取り組みが核開発能力の拡散を促進することがないよう監視する役割を果たせなくなる」と強調した。

法案はルビオ氏とトッド・ヤング共和党議員ならびに民主党のティム・ケイン、エドワード・マーキー両議員が共同で提出した。

トランプ政権はサウジと原子力協力を協議してきたが、サウジは米議会の審査が必要な2国間の原子力協定(123協定)で制限が加えられることは受け入れがたいとしてきた。

マーキー議員は公聴会で、ポンペオ国務長官に対し、技術移転の申請や許可について情報を共有すると確約するよう求めた。ポンペオ長官は検討すると述べるとともに、エネルギー長官が署名する許可については他の政府機関にも発言権があると述べた。

サウジは原発建設計画は平和利用が目的と主張しているが、ムハンマド皇太子は昨年、イランが核兵器を開発すればサウジも開発すると述べている。

関係者が今月明らかにしたところによると、サウジは同国初の原発2基の建設に向けて2020年に数十億ドル規模の入札を計画している。入札はこれまで繰り返し延期されている。

サウジ政府と協議を進めているのは米国、ロシア、韓国、中国、フランスの各国企業。

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