米国防総省、壁建設に15億ドル充当 アフガン向けなどから移転

[ワシントン 10日 ロイター] – シャナハン米国防長官代行が、15億ドルの資金を他項目から移転し、メキシコ国境の壁建設費に充当する計画を承認したと、米政府高官が10日明らかにした。

アフガニスタン治安部隊向けの資金とされる約6億ドルも含まれるという。

同長官代行は3月にも、国防総省の予算から10億ドルをメキシコ国境の壁建設に振り向ける計画を進めることを明らかにしている。

シャナハン氏は声明で「資金は経費節減やプログラム変更などのさまざまな手段で捻出された。このため、米軍の準備態勢への影響は最小限にとどまる」とした。

政府はアフガニスタン治安部隊向けに2019年度は49億ドルの予算を確保。このうち6億0400万ドルが壁建設費用に振り向けられることについて、米当局者は匿名を条件に、契約の経費節減が実現できたためと説明。別の当局者も「コミットメント達成に、想定されたほど資金がかからなかった」とし、「われわれの(アフガニスタン)に関するコミットメントに関連するものではない」と述べ、アフガニスタン治安部隊向けの予算から別の用途に資金が振り向けられたのは今回が初めてではないと明らかにした。

こうした事態について民主党が批判を強める可能性がある。これまでも議員の間から、国防総省が予算を他の項目に振り向けることに制限をかける提案が出ている。

ホワイトハウスは前日、トランプ大統領がシャナハン氏を正式に国防長官に指名する方針と発表した。

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