米政権幹部、イラン情勢巡り議会で説明 抑止が目的と強調

[ワシントン 21日 ロイター] – 米政権幹部は21日、イラン情勢について議会で説明を行った。説明を受けた議員によると、高官らはトランプ政権がイランを攻撃することではなく同国による攻撃を抑止することを望んでいると強調した。

下院で非公開の説明が行われた後、外交委員会のエンゲル委員長は記者団に対し、「米政権が語調を弱めることを願う。(出席した)当局者はそうした印象を与えようとした」と語った。

この日の説明は、イラン情勢の緊迫化を巡り与野党双方から情報提供を求める声が高まったことを受け、ポンペオ国務長官、ダンフォード統合参謀本部議長、シャナハン国防長官代行が行った。

下院外交委員会のマコール委員(共和党)は記者団に対し「戦争する意図はない。イランの攻撃を阻止するための抑止行為だ」と語った。

この後上院でも同様の説明が行われ、シャナハン国防長官代行は終了後、トランプ政権は対立の激化を望んでいないと強調。記者団に対し「これは抑止であり、戦争ではない。戦争をする意図はない」と述べた。

また、共和党のグラム上院議員によると、政権幹部らは中東で最近起きた船舶やパイプラインへの攻撃について、イラン政府が指示したものとの見解を示したという。

グラム議員は記者団に「政権幹部はイランによる一連の脅しが過去といかに異なるか説明し、船舶やパイプラインへの攻撃はイラン政府が計画し、指示したと指摘した」と語った。

下院での説明終了後、一部の民主党議員は、トランプ政権がイランの行為に対する武力での対応を正当化するため情報を歪曲(わいきょく)していると非難した。

下院軍事委員会のガレゴ委員(民主党)は「私が思うに、イランとの戦争について議論する根拠となる情報は何もなかった」と述べた。

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