北朝鮮で当局者への賄賂横行、貧困と汚職の悪循環=国連報告

[ジュネーブ 28日 ロイター] – 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は28日、北朝鮮の人権状況に関する報告を発表した。同国では汚職が「風土病」化し、抑圧が蔓延している状況で、国民は生き延びるために当局者に賄賂を渡すことを余儀なくされていると報告した。

報告は、主に北東部の中国国境地帯である両江道や鏡北道出身で北朝鮮国外に逃れた脱北者241人に行なった聞き取りに基づいて作成した。この2地域は、1994年に崩壊した食糧配給制度から最初に排除された地域で、飢饉により最大100万人が餓死したとされている。

当局者らは、貧困の中闇経済で生計を立てている人々を中心に、拘束や告発をちらつかせて賄賂を脅し取っているとし、「貧困・汚職・抑圧という悪循環」が生じていると糾弾した。

これに対して北朝鮮は、報告は「邪悪な目的を持つ政治的な動機によるもの」と一蹴。ジュネーブ代表部はロイターに対する声明で、「このような報告は脱北者の証言に基づく捏造にすぎない。脱北者たちは、生活資金を得るため、あるいは脅されたりして、捏造した情報を提供している」と反論した。

ミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官は、「核問題が絶えず注目されることにより、数百万人に上る北朝鮮人の劣悪な人権状況から注意が逸らされ続けていることに懸念を抱く。食料、健康、住居、仕事、移動と選択の自由は普遍であり、奪われてはならないものだ。にもかかわらず、北朝鮮では主に、(こうした権利を獲得できるかどうかは)当局者に賄賂を貢ぐ個人の能力次第という状況だ」との声明を発表した。

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