北朝鮮・金委員長が視察の機械工場、ミサイル発射装置も製造か

[ソウル 1日 ロイター] – 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が最近視察したとされる複数の工場について、アナリストらは、表向きは民生用の機械などの生産を行っているが、弾道ミサイル発射装置といった軍事装備品の製造も担っていると指摘する。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は1日、金委員長が複数の工場や都市で「現地指導」を行ったと報じた。視察がいつ行われたかは触れていない。

これについて、米カリフォルニア州のジェームズ・マーティン不拡散研究センター(CNS)のアナリストらは、経済的な要素だけが報じられたが、これら施設は大陸間弾道ミサイル(ICBM)技術の開発に大きな役割を果たしてきたと分析。

CNSの研究員ジェフリー・ルイス氏はロイターに「これは北朝鮮の国防産業の中核にある」と述べた。「2016年と17年に北朝鮮がICBM発射試験に近づいた際に行われた視察と類似している」とした。

金委員長が視察した施設には、2017年7月28日に金氏の立ち会いの下で行われたICBM級「火星14」の発射の現場となった「2・8機械総合工場」が含まれた。同工場では弾道ミサイル発射装置が製造されたことがある。

KCNAによると、金委員長は生活必需品が生産されるのを視察し、「一段と高度な近代化計画」を指示したという。

このほか、「江界トラクター総合工場」、「江界精密機械総合工場」も訪れた。CNSのアナリストらは、両工場は軍需産業に関連があり、ミサイル開発で役割を果たしてきた可能性があると指摘した。

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